いつもいっちゃん

SHE SAID/シー・セッド その名を暴けのいつもいっちゃんのレビュー・感想・評価

4.8
ハーヴェイ・ワインスタインの膨大な数の性的暴力事件の全貌を暴いた2人の女性ジャーナリストの闘い。
ゾーイ・カザンとキャリー・マリガンがとてもクール。

ME TOO運動の起点となる出来事や報道背景などの裏側から、被害女性のトラウマや葛藤をも映し出す。
実話ベースということの重み、カメラワークに至るまでが当時の不穏感を実感させる。
2人のジャーナリストにはそれぞれ幼い子供がいることから、自分がしていることの意義を自然に未来の子供たちに繋いでいくことができるよう信念を曲げない姿が伝わってくる。
淡々と取材をし、被害者との丹念な交流を元に語られる物語。
過度な演出は無いにも関わらず、訴えかけるものの引きが強く感じる作り。
巨大な権力に真っ向勝負を挑んだジャーナリストたちの姿を無駄なくスマートに描いたのは流石。
ゾーイ・カザンの可愛らしさと、キャリー・マリガンの貫禄。
ある種のバディものとしても秀逸。

今年のアカデミー賞で果たしてこの映画業界の闇を描いた作品が評価されるのか。
過去のアカデミー賞を賑わせたワインスタイン・カンパニーの作品が多々ある中、今これを映画化して世に出ていくのは中々凄い。
MIRAMAXの文字が出ると内心複雑な気持ちになるのは事実、、、
余談。ニコラス・ブリテルのスコアがとても好き。