Kota

SHE SAID/シー・セッド その名を暴けのKotaのレビュー・感想・評価

4.0
“秘密は誰にでも、どこにでもある。”

映画スタジオ、ミラマックスのハーヴェイ・ワインスタインによる長年の女性への性的虐待を世に暴いたニューヨークタイムズの女性記者二人の実話。もう気持ち良いくらい実名の嵐で、実際に被害を告発した女優たちの出演(電話越しの声だけでも)による説得力が半端ない。

#Me too運動は日本でも話題になるほどの大きなムーブメントだったけれど、その背景にこの記事があったというのは知らなかった。“スキャンダル”の時も感じたけど、自分は被害を受ける側ではないから彼女達の決意がどれほどのものか完璧に共感できてると言えないのが悔しいほどに、女優さんたちの演技力(演技ではないかも)が画面を圧倒する。

史上初めてニューヨークタイムズの本社ビルが撮影現場として使われたこの作品は、一つの大きな記事を追う記者達を写しながら、“ジャーナリズム”のあり方を描いている。昼夜休日を問わず働く彼女たちを観ていると、所謂日本でいう“働き方改革”とは乖離した、仕事の魅力みたいなものが見えてくるから凄いよね(まぁしっかり産休は取れていたし、給料も良いと思うから、その前提なのはおいといて(笑))。あくまで事実ベースで、余分な感動演出を極限まで省いるからこそ成り立っている稀な映画。あと、主演二人がどちらも好きだからそんだけで満足よね。
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