ねこたす

奇人たちの晩餐会のねこたすのレビュー・感想・評価

奇人たちの晩餐会(1998年製作の映画)
-
"バカ"が見つからなくて困る。なんとも不思議な響きだ。
ブーメランを投げたり、マッチ棒で作品を作る奇妙な男たちは、晩餐会に呼ばれたことを喜んでいる。

どうやらハイソサエティがバカのチャンピオンを決める晩餐会を開いているよう。

元が舞台劇ということもあり、本当に畳みかけるような展開に圧倒される。タイトルがそもそもミスリードなのだが、ワンシチュエーションコメディのお手本と言ってもよい。

しかし、劇から映画にそのまま変えただけでは芸がない。80分と短い上映時間ながら、観客が退屈しないように時折別の画を挿入する。

そんなバカを演じるジャック・ヴィルレ。もう風貌からして明らかにおかしいのだが、演技っぷりも凄まじい。
このキャラに嫌悪感を抱かせてしまった時点でこの映画についてマイナスポイントになってしまうが、憎めない感情が芽生えてしまう。(それでもイラつかないと言えば嘘になる

物語に推進力を与える力の強さったらない。もちろん若干の無理はあるのだが、このキャラならやりかねないという説得力。何かが起きるという予感を前に、観客はドキドキを抑えられない。

税務官という何気ない設定、バカには会いたくないという妻。後々のギャグの為に、違和感なく挿入される設定や会話に驚く。

それでも、キャラに嫌悪感を抱かせない、救いのようなラストが待っている。あー、本当にただのバカなんだなあとホッとしたのもつかの間。

やはり、そのまま終わらせないのがコメディの矜持。
フランスで大ヒットしたのも頷ける。
気軽に見れるので、ぜひぜひ。

しかし、つい前に見た料理人がビッチ役で出ているとは…笑