dita

スピリッツ・オブ・ジ・エアのditaのレビュー・感想・評価

4.0
@ シネマート心斎橋   

素晴らしき現実肯定映画と受け止めた。どれだけ空が広くても、どれだけ大地が続いていても、生きていく場所、生きるための術は限られている。自らが定めたもの、運命と呼ばれるもの、過去から受け継いだこと、未来を選ぶこと、人間が動ける範囲なんて決まっているし、現実はいつだって厳しい。

ただ、空と大地の間に空気があるように夢と現実の間には信じる心がある。誰もが飛べるわけじゃない。過去から自由になれるわけじゃない。無数の十字架は諦めの数かもしれない、でもそれは絶望ではなく生き抜くための希望だと思いたい。現実の中で彼が選んだ未来は、彼が望んだ未来と同じくらいに美しい。そして、わたしが選ぶ未来もきっと美しいと信じたい。
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