うめまつ

ムクシンのうめまつのレビュー・感想・評価

ムクシン(2006年製作の映画)
5.0
12歳の男の子に胸が張り裂けそうになるなんて、どうしたらいいんだろう。私の初恋はムクシンに書き換えられました。もう小学三年生の時のT君への想いは綺麗さっぱり忘れます。今の私はムクシンとのひと夏の想い出があれば生きて行ける気がしてる。ベリーナイスの響きだけで強くなれる気がしてる!あの女の子が前に乗る形の二人乗り、包み込まれる感じがすっごく良い。あれが正しい恋の二人乗りに違いない。何で今まで固定概念に縛られて後ろに乗ってたんだろう!私のバカバカバカバカ勿体無い!

一番好きなシーンは、その自転車で好きな子が座る場所をぐるぐるのふかふかにするところ!!ムクシンは12歳にして既に紳士であり最高にイカした男だと思った。全世界全年齢共通で人の魅力の最たるものはやっぱり〝思いやり″で、自分を良く見せたいとか人を喜ばせたいより先に、相手の苦痛を和らげる為に自分の出来る最大出力で配慮すること。どんなに小さな事でもまずその痛みに気づくこと。そんな労りの連鎖があれば世界と世界は手を繋いで1つになれるんですよねヤスミン監督。。あぁ好き。

他にもポマード付けすぎて何度も櫛で梳いたのにやっぱやめ!ってくしゃくしゃにしちゃうとことか、木の上で時がこぼれて行くのを止めたくてでもどうにもできなくて足をぶらぶらさせるとことか、会いたくて会いたくて夢の中でムクシンしちゃうとことか、「オーキッド」(キにアクセント)と呼ぶ時の狂おしいほど甘くて切ない響きとか、ムクシンの空気に触れたばかりの〝好き″が溢れ返ってスクリーンが決壊するかと思ったよ。。凧揚げってあんなに素敵な遊びだったっけ?

私も一生に一度くらい「絶対に髪を切らないで」なんて言われてみたかったな。オーキッドみたいな綺麗な髪じゃないけど、きっと毎日毎晩眠る前に慈しんで髪を梳かしただろう。その愛しい呪い人のことを思い浮かべながら。いつも仲良しでいいよねって言われて でもどこかブルーになってた あれは恋だった
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