まさ

ぬいぐるみとしゃべる人はやさしいのまさのレビュー・感想・評価

3.7
とある大学のぬいぐるみサークルの人々を描いた作品。傷つきやすく、閉じこもりがちな人々のやさしくも危なっかしい日々を描く。周りを見渡せば、器用に周りに合わせて、世の中を上手く歩いていける人ばかりでは、もちろんない。不器用で周りに合わせられず、自分の殻に閉じこもってしまう人たちの存在。周りと同じように出来なくて落ち込むことは、自分にもある。それは、周りと同じことができないことへの軽蔑の目が自分にもあるからかもしれない。周りと同じでなくてもいい。そんなことは頭では分かっていても、多様性を認め、分かち合うことは、簡単なことでもない。でもその面倒なことを諦めて、止めてしまってはいけないのだろう。自分の中のどこかが分かってもらえた、そういう感情なのかもしれないが、見ながらなぜか涙が止まらなかった。本作の白城のように、主人公二人とぬいぐるみサークルの面々を温かく見守る存在を大切にしたい。本作を見て、世の中の多様性の難しさと尊さに思いを馳せたい。
まさ

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