FREDDY

霊幻道士XII 英叔復活だョ! 全員集合のFREDDYのネタバレレビュー・内容・結末

2.8

このレビューはネタバレを含みます

リッキー・リュウ監督がチン・シュウホウの主演で制作したアクション・ホラー『霊幻道士』シリーズの第12作である本作は、とある日の亥の刻にキョンシーに扮した人間らを率いた謎の道士と遭遇した後、染物工房を営むジア夫人から自宅に妖怪が出没するという相談を受け弟子のチュウサムとモンチョイとともに調査に乗り出したところ、遭遇した妖怪がまたしても術士に操られた人間であり、秘密の漏洩を恐れた何者かによって口封じのために殺害されたことを受け、町の若者に流行していた"アヘン"と繋がる何者かの陰謀ではないかと疑いの目を向けていたハオ道士が、新町長就任の日に見つかった大量の遺体が以前に遭遇した"アヘンの密輸"を行っていた術士らであり、変わった武術の使い手である3人の賊による犯行であったことで妙な違和感を覚えた新町長の素性を調べたところ、龍頭山の賊・グイワンが新町長になりすましある陰謀を企てていたことで、敵の罠であることを知りながらも、2ヶ月前に町に越してきたグイワンの仲間である酒楼「鳳凰山荘」の店主ヤオの誘いを受け渦中に飛び込み、町の平和を取り戻すべく師匠であるイン道士らとともにグイワンとの戦いに挑んでいく様が描かれた作品となっているのだが、率直な感想としては、気軽に楽しめるアクション作品でした。今作では『霊幻道士』シリーズには欠かせない主軸となる存在であったイン道士をチャン・ディーサイがラム・チェンインを彷彿とさせる形で復活させたことや、アンドリュー・ポンやティミー・ハンといった香港スターの実子たちの共演、ラム・チェンインと同様にお馴染みのキャストで欠かせない存在だったビリー・ロウも出演しますし、内容に関しても本物のキョンシーこそは登場しませんし法術合戦を繰り広げた前作よりも戦闘シーンに派手さはないが、チン・シュウホウやチャン・ディーサイらが織り成すワイヤーを駆使した肉弾戦は懐かしさを覚えるとともに単純に見ていて面白かったです。ただ、描かれている物語は極薄で面白みに欠けますし、イン道士の復活は胸アツだが外見を似せただけでキャラクター性は異なるので違和感でしかない。そしてキョンシーはおろか妖怪の類も登場しませんし、劇中の台詞で"妖怪はいない"とまで言い切ってしまったので"道士 対 術士"という構図で今後どのような展開を迎えるのか不安でならない。本作は暇つぶし程度の視聴が丁度良いのでは。
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