ヤンなスエ

アルゼンチン1985 ~歴史を変えた裁判~のヤンなスエのレビュー・感想・評価

4.2
アルゼンチン映画は嫌味や皮肉が込められてるほど面白い。必然的に面白い映画ほど主人公は皮肉屋になる。リカルド・ダリンは皮肉屋演じさせたらアルゼンチン屈指の役者なのでここ20年のアルゼンチンの良作の主演は9割くらいリカルド・ダリンが演じてる。

この映画も例に漏れず台詞の一つ一つに嫌味が込められてる。残念ながら字幕だと結構省かれてるので100パー楽しもうと思うとスペイン語覚えるしかないのだけど。
字幕だと「怖い」だけで済ませてるけど、実際には「糞漏らして足先まで届く(くらい怖い)」って言ってたり。

アルゼンチンが民主化して間もない頃の軍事政権に対する裁判を担当した検察側から描いた実話。かなり重そうなテーマだけど、これがも皮肉、嫌味、ブラックジョークの会話劇でテンポよく見れるし笑える。

主人公が裁判の検察って全くやりたくない仕事を任命されて家に帰ってクラシックかけるとこが凄く良かった。
その前に一度主人公は嫌な事あるとストレス解消で大音量でクラシック聴くってのを見せてたので台詞一個も無しで、旦那が家に帰ってきたってのと職場ですごく嫌な事があったって奥さんが瞬時に察する。
そっから夫婦で音量上げ下げしながら口論するのがほんと痺れる。
ビビってる旦那のケツを叩く描写でロッキー3のエイドリアン的な感じだけどもっと肝が据わってる感じ。

協力者探す時のやり取りもうける。
あいつは?ファシストだ
じゃあ、あいつは?超ファシストだ
えーっとあいつは?去年死んだよ
ヤンなスエ

ヤンなスエ