いずぼぺ

アルゼンチン1985 ~歴史を変えた裁判~のいずぼぺのレビュー・感想・評価

3.8
ヌンカ・マス
「二度と再び」

軍事独裁政権を裁いた、初の民政裁判

アルゼンチンが舞台の作品を観るたびに、その歴史を知りたくてwiki先生に尋ねるが解りにくい。繰り返されるクーデター、革命、イデオロギーだけが先行しかつて裕福だった国家が破綻していく。

この歴的な裁判を予備審問の段階から論告、判決までを劇場での舞台のような見せ方でそれぞれの主張やバックグラウンド、背負っているもの、守るべきものを語らせていく。
1985年のこの裁判の意味、この裁判に託されたアルゼンチン国民の声、この裁判からはじまる未来を熱量高く描ききっている。
細かいところまで理解するには勉強不足で自分が情けない。しかし、最後の論告は何回も繰り返し観て聴くエネルギーがあった。この論告で語られている内容は、アルゼンチンだけの問題ではない。今なお「戦争行為」の名のものに人権が侵害されいる国・地域はある。
人間は暴力によって問題を解決するのではなく、法によって解決されるべきである。

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