Keiseihhh

バートン・フィンクのKeiseihhhのレビュー・感想・評価

バートン・フィンク(1991年製作の映画)
3.8
マニアックな映画。この種のマニアックな映画にしては凄く印象に残っていて高ポイントの3.8。文芸家、純然劇作家たろうとする主人公がその価値観を崩され、すべてを失う映画と言ってしまえば分かりやすい。主人公のバートン・フィンクはハリウッドからのオファーを受けて、あるホテルに滞在する。そこで保険の外交員であるチャーリー・メドウズと出会う。二人は実に奇妙な交流をし、親睦を深めるのだが、劇作家としての自負と誇りを持つバートンよりも、一層深い心の闇と激情そして攻撃性をメドウズが持っていることがのちになって明らかになる。自身のプライド、理想が粉砕されて最後バッグ一つを傍らに置き、砂浜で佇むバートンは何を思うのか。そんな映画である。この作品は全てのクリエイターを志す、自分は一般人とは違うと思っている人々への挑戦状であり、レクイエムとも言えるかもしれない。同時期に観た「デリカテッセン」に比べ内容もしっかり覚えているのは脚本が魅力的だったからだろう。コーエン兄弟?誰?って方にはオススメしていい映画かもしれない。とにかく奇妙な映像美がありながら軸もある作品。叫びながらホテルの廊下をひたはしり、火炎放射器を放射するメドウズのシーンが僕は忘れられない。良作である。
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