【まとめシネマ】#925
【まとめ】
* 個性的な魅力を放つ役者陣
* 欲に任せた孤独の逃避行
* 二人の純愛が骨身に染みる
テイラー・ラッセル演じるマレンは、生まれながら人を喰べる衝動が抑えられない18歳の少女。母親を探す旅の道中でティモシー・シャラメ演じる同じ宿命を背負う青年と出会い、互いの運命に惹かれ合う。本作に登場する人物は少ないが、それぞれの個性や孤独、その魅力が人柄を語る。特にマーク・ライランスの怪演が強烈だが、本作には欠かせない存在。
本作は、マレンとリーの逃避行の物語だが、印象的なのが「人喰いの衝動」だ。マレンはどこか罪悪感や背徳感を感じて自分自身を否定しながらも、目の前の欲望に負けてしまう。本作は、マレンとリーの二人旅を映しているが、抱えている問題が粒立ち、それぞれの孤独のように映す。
二人の恋愛は、これ以上ないほどに純愛だ。究極の愛に向かう結末は、我々の骨身に染みる。