春陽

光復の春陽のネタバレレビュー・内容・結末

光復(2021年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

途中までの圭子の人生なら、『なんで自分だけ、こんなに目に会うのだろう』と他の人を妬みたくなる気持ちになるだろうな…とは思ったが、本人は余りそこら辺を憂いてない様にみえる。献身的に親の介護をする事は善行ではあるかも知れないが、だから良い事がある訳でもなく、報われものではないのがリアル。元彼とひとときでも満たされる生活が送れただけでも良かったのかな?彼女を取り巻く人間が酷い人ばかり(偶に普通の人)で、善人というなら元彼だけにみえる。一人で抱えていた苦労をちょっとでも担ってくれて、介護に使える制度を手配をしてくれたら救いの神にみえるだろ。
住職と寺男はよく分からない。心の救いにはなったのだろうが、あの終わり方は何なのだろう?一種の優しさなのか?

長野の若者は襲う相手を性別でしか判断しないのか?あの子供の相手は誰なんだろう?エンディングロールのお経のデュエットは、テンポは一緒だが息継ぎが合わないのが微妙に引っかかった。

監督と主演俳優(ご夫婦だった)のインタビューを読んだが、この内容で一人の女性の幸せについてを書きたいと思ったとの事。その幸せの輪郭を浮き上がらせる為に、不幸を見つめていたらえらいことなったという本作。この不幸な内容は2018年の一年間に実際に起こった事件ということで、本当にろくでもない世の中だと思った。が、変な救いがあるのも事実なんだよね。
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