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ジョーカー:フォリ・ア・ドゥのzaのネタバレレビュー・内容・結末

3.0

このレビューはネタバレを含みます

単独作品のつもりだったのが興行収入が良かったが故に続編を作らされるはめになったことに対する監督からのカウンター作品、ということなんだろうか。
ベースにあるテーマとして、「人は何故夢を見るのか」というのがうっすらと感じられた。それに対して夢の終わりをわざわざ見せつけるという行為。

苦しみを音楽(ファンタジー)で癒す、檻の中でのミュージカル映画といえば名作「ダンサーインザダーク」が思い浮かぶが、ミュージカルとして構成・楽曲ともにいまいち魅力に欠ける出来になっていたというのが本作に対する率直な感想。オリジナル楽曲くらい作ってほしかった…というか、「DUNE」を越えるほどの製作費が掛かっているらしいが、一体どこにお金を掛けているのか??なかなかの謎である。
一方でストーリーはというと、こちらもまぁ普通っちゃ普通。あえて良かったシーンをあげるとすれば、ゲイリーとの問答シーンと、あとは最後ハーレイが歌い始めるのに対してアーサーがもう止めてと懇願するシーンか(あそこは観客の気持ちを代弁してくれていて笑えた)。

本作、全編に渡ってアーサーがジョーカーかノージョーカーか当てるゲームを楽しもうとする観客は少なくないはずだが、作中で証言しているように最初から最後までジョーカーはおらず、いるのはアーサーだけという梯子外しっぷり。
ラスト、突然影から出てきたヒース・レジャーがアーサーを階段から突き落として終わるENDだったら傑作になり得ただろうになぁなどとそんな妄想にふける。見たいのは現実ではなくて、夢なんだよなぁ…
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