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ジョーカー:フォリ・ア・ドゥのblacknessfallのレビュー・感想・評価

1.8
触れずにいたけど前作でぶち上がった人ほどガッカリしてるの目にしてたからある程度覚悟はしてた。

でもさぁ、前作であれだけ共感可能な凄絶なバックボーンをこれでもかとばかりに描き、感情移入させまくり、理不尽で強欲な経済至上主義社会に一矢報いたアンチヒーローのカリスマとして揚げまくっておいて、本作では肥大した自己意識と被害者意識に囚われた感情移入が難しい憐れで卑小な男として下げまくるって意地が悪すぎるよなぁ笑
「コイツ🃏さぁ、君らが思ってるようなかっけーもんじゃねぇからぁ(・∀・)ニヤニヤ」と監督に嗤われたような気分だ。
とにかく、おれのような前作全面支持の人間の期待を裏切り、カタルシスを与えないことに徹底してた。

抑圧された者達の憤懣がジョーカーによってリリカルに共鳴しあい現出した破滅的だが美しい暴動に否定し腐していた理性的(中立気取り)で賢い(自分を騙すのが上手い)人達は楽しめたんじゃないのかな😮‍💨


大枠で支障はないけど具体的シーンに触れるのでまっさらで鑑賞したい方は以下スルー推奨。





精神医学の陳腐なステロタイプに押し込め情状を狙う法廷戦術からジョーカーをひたすら惨めな病人に仕立てる弁護士に怒りをあらわにし裁判長に弁護士解任を申し立て「自分で弁護する」と宣言したシーンだけは前作のカタルシスがあった。ジョーカー・メイクを復活させて法廷に立つ姿はかっこよかった。

あと、公開前から話題になってたミュージカル演出だけど、おれには成功なのか失敗なのか分からなかったが、好きではないとは言える。歌い過ぎだよ。そのせいか映画の構成もかなり特殊になっている。これも画期的なものなのか破綻してるのか判別に困る。見たことのないものだとは言えるけど。
それとジョーカーに寄り添うという触れ込みだったレディ・ガガ演じるリーのジョーカーへのスタンスも分からなかった。資産家のメンヘラ娘が有名人を弄んでいるようにも、自分の閉塞感を打ち破ってくれるナイトとしてガチ恋してるようにも見えた。

こんな感じでガッカリと困惑だらけで救いは映画館の会員ポイントでIMAXで500円観れたことだけだ。
とりあえず、脱ヒーロー化を強いられたわけだが、1作目のジョーカーと彼に触発されたピエロ達の暴動を支持し続ける。社会的弱者の暴力を強調し資本主義の暴虐を矮小化する本作を断固を拒否する。
supported the riots at that time!!!!!!!
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