自分としては好きだった。あらかじめ1のジョーカーでないことを知っていたからかもしれない。見ていてずっと辛かったし、アーサーの道化になりきれない感じが本当に痛々しかった。いつか報われて欲しいと思ったけど、結局報われず、ズーンと心に何かが沈むような感覚だった。
嘘をつくからには、最後まで完璧に。社会には、そう求められる。これは誰しもがあるところだと思う。だからこそ、本当の自分を見つけてくれる人を求めていて、アーサーもそれを歌っていて、切ない。裁判で最後に出てくる小人症の人は本当のアーサーを見つけてくれていたことがわかるというのが、何とも皮肉な感じだった。