磯野マグロ

湯道の磯野マグロのレビュー・感想・評価

湯道(2023年製作の映画)
2.5
【窪田くんの入浴❤️】25

けっこう期待してたんだけど、最初の15分くらいは類型的というかテンプレ話と演技でこりゃヤバいな、と。ヒノキ風呂をめぐる小日向さんの涙で少しほぐれてきて(それにしたって既視感バリバリの話だったけど)、そのあとは「銭湯」という大好きなテーマと、小山薫堂的というかフジテレビ的な臭みとの間で気持ちが右往左往。おおむね辟易しながらも、たまにデュエットや吉行和子見て涙ぐむ、というよくわからないことに。
結局、橋本環奈頼みでなんの解決もないまま話が終わるし、実際には銭湯に通っていない、通わない人向けに、架空のノスタルジーをかき立てるために作ってるように見える。そしてそれはたぶん、マーケティングとしては正解。でもねえ、その志なんなん。少しはメーテレ見習ったら?
気になったのは、湯道の家元の風呂のバックの紅葉。描き割りに見えたんだけど、だとしたら最悪だし、そうじゃなくてほんとに外の景色が見えてるのなら、季節感もなにもなくてそれもまた最悪。あんなに自然をないがしろにする「道」がどこにあるっちゅうねん。一方、まるきん温泉のセットはかなり魅力的。あんな銭湯があればそりゃ通いたいよね。
ということで、この映画のいちばんの見どころは、窪田正孝のバキバキの筋肉と、柄本明の怪演を超えた怪人ぶりです。
磯野マグロ

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