孤独と共に生きていく
海辺のお弁当屋で働く元風俗嬢のちひろさん(有村架純)と、地域の人たちの交流を描く、ヒューマンドラマ。
今泉力哉監督にしては珍しく恋愛は描かれないけれど、人間関係の機微の描き込みは健在。そこに、例によって有村架純力全開の有村架純がベストマッチしてちひろさんが実在している。
ちひろさんって、一生懸命真面目に生きてきたけど、一度絶望に突き落とされて、吹っ切って這い上がってきた感じかなあ。そこから、深入りしないからこそ寄り添うことができるっていう人間関係の距離感が形成されたのかな。
ちひろさんの写し鏡とも言えるオカジ(豊島花)の家の豪華だけど温かみのない食卓や、マコト(嶋田鉄太)の母(佐久間由依)の作る焼きそばなど、食事シーンの対比も印象的。
豊島花は数々の作品に出ている名子役らしいけど、透明感がすごい。