デビッド・リーチ監督作。
1981年から1986年にかけて全5シーズン放送されたアメリカの往年のTVドラマ「俺たち賞金稼ぎ!! フォール・ガイ」を元スタントマンのデビッド・リーチ監督が映画化したアクションコメディで、製作を兼任したライアン・ゴズリングが陰謀に巻き込まれるスタントマンを熱演します。
1年前に起きた撮影中の大怪我でスタントマンを引退した主人公の男:コルト・シーバースは、昔馴染みの女プロデューサーに声を掛けられ、元恋人のヒロイン:ジョディ(エミリー・ブラント)が初監督を務める新作SF映画でスタントを務めるため撮影地のオーストラリアへ飛ぶが、そんな中、プロデューサーに秘密裏に依頼され失踪中の主演俳優の捜索に当たっていたところ殺人事件が絡んだ陰謀に巻き込まれてしまい…というスタントマンという職業を題材としたアクションコメディで、殺人の濡れ衣を着せられた一流スタントマンの窮地と打開の一部始終を元恋人の映画監督との恋の再燃のゆくえを軸に軽快に活写していきます。
明快なストーリー展開と怒涛のアクションの連続で魅せてくれる痛快アクションコメディで、屈強な悪漢たちとの熾烈な肉弾攻防戦やボートでの海上チェイス、都市部での車上バトル…と多彩で迫力満点のアクションシーンが盛り沢山ですし、怪我を恐れず危険な行為に打って出る&普通の人間より痛みに強いスタントマンならではの特性を活かしたハラハラするアクション演出が全編に冴え渡っています。
VFX技術の発達によってスタントマンの活躍の場が失われつつある時代の中で、映画の陰の功労者であるスタントマンの矜持と悲哀と勇姿にスポットライトを照らした“スタント愛”溢れるアクションコメディの快作で、エンドロールの映像から、本作でスタントを務めた勇敢な人々こそがこの映画の本当の主役であったことが伝わります。