たく

少女は卒業しないのたくのレビュー・感想・評価

少女は卒業しない(2023年製作の映画)
5.0
シーンごとの構築とその繋があまりにも美しすぎる。

卒業を控えた高校生たちの何気ない会話が、とても等身大で、その映し方も見事。
わざと雑音と会話の音量を同じくしたり、アングルをセリフを言ってる側ではなく聞いてる側に当てたり。素晴らしい。

そして徐々に生徒たちの心情や感情が表れてきた頃には涙涙だった。
セリフも本当キレイで、それに対する余計なBGMもない。ただ春の訪れを感じる風景が広がっていて、それだけで何か郷愁感があり美しかった。

それにしてもメインキャストが図書室の先生役を演じた藤原季節以外全員20歳前後の若手俳優。本当文句の付け所のないほど皆さん演技に魅力があり、今この文章を綴っているだけでまた感動している。

決してセンチメンタルに持っていくことなく敢えて群像劇のような編集にして最後にそれぞれの旅立ちを描く。本当に素晴らしい映画でした。

滅多に付けない満点付けます。

残念なのが、私が鑑賞した某シネコン、第二週目からは1日1回のみ。もったいない。Filmarksの高評価でもっと上映数を増やしてあげたい。
たく

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