品川巻

少女は卒業しないの品川巻のレビュー・感想・評価

少女は卒業しない(2023年製作の映画)
4.8
2人組の現役高校生がたまたま隣の席で号泣してたのも重なり、後半はずっと喉の奥が鳴るのを我慢できないくらい泣いてしまった。大好きな『リンダリンダリンダ』を観た時とまったく同じ感覚だ...

この映画における唯一のミステリーパートで雰囲気はガラッと変わるけど、
それよりも「主人公のまなみが立ち上がって答辞を読む」という行為が、今すぐに頑張らなくてもいい誰かが頑張るきっかけになり、門出の日に学校生活の思い出が動いていくことに意味がある。
軽音部の狂犬・森崎くんと部長がこっそり桜の木の下で写真撮ってるのも良かったな...

卒業式の練習で1人立っちゃってくすくす笑われるとか、誰かの気配を感じたら校内でコソコソ話を止めるとか、花火に3000円は正直高いな〜とか、
物語とは関係ない繋ぎのシーンに高校生のあるあるネタが組み込まれていたのも、私たちがあの頃に戻れる仕掛けだった気がする。

とにかく藤原季節が眩しすぎてずるすぎて許せないのと、
愛流は、セリフの言い回しと佇まいが窪塚パパすぎて、血の濃さを感じた。

青春映画の傑作に生で立ち会えて、本当に幸せな気持ちになった...全国の卒業生におめでとうと言って回りたい。
品川巻

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