ベビーパウダー山崎

お吟さま 4Kデジタルリマスター版のベビーパウダー山崎のレビュー・感想・評価

3.5
処刑場に向かう裸馬に括り付けられた岸惠子の眼差しが伝播し有馬稲子の自害へと繋がっていく。ふたりとも愛する者へ身を尽くした結果ではあるが、男性中心の世界(社会)への抵抗として肉体を失ってもその志しは決して屈せず、ラストの気高さは己を貫いた魂の勝利ともいえる。田中絹代の芝居と同じく映画も強く凛としている。バサッと何もかも断ち切りるような終わり方が潔くてよかった。