水原秀策

近江商人、走る!の水原秀策のネタバレレビュー・内容・結末

近江商人、走る!(2022年製作の映画)
1.0

このレビューはネタバレを含みます

年の瀬にして本年度ワースト1映画決定。何一つ見るべきものがなかった。演技、セリフ、話の展開の全てが安っぽい。
キャラクターは全員ペラッペラで「善人」「悪人」「悪者」「裏切り者」みたいな紙人形。客を舐めるのもいい加減にしろ!

例えば「裏切り者が説教されて「うるさい、うるさい、うるさい」とか「お前はいいよな」とか。オリジナリティってどこにあるんだよ。

しかもくだらないくすぐりを入れて笑わせようとするから余計に腹が立つ。これを本当に面白いと思って作ってのか?「近江商人、走る」

怒ってばかりでもなんなので、いくつか改善案を。
1 主人公が周囲に愛されすぎてる状況を変える
2 筧利夫のキャラをもっと商売に厳しい方へ振る
3 最初の保険の話も「人助け」のためでなくあくまでも動機は「金儲け」とする。結果的に助けたことにする

他のユーザーの感想・評価

Jun潤

Jun潤の感想・評価

3.7
2023.01.12

予告を見て気になった作品。
世界に先駆けて先物取引を行なっていたとされる堂島米会所に集う近江商人たちを描く、というようなお話。
経済×時代劇は数あれどあまり見てこなかったため、今回新たなジャンルを鑑賞開始です。

百姓の家に生まれ、父と共に農業を営んでいた銀次は、初めて自分で野菜を売る日に凄腕商人の喜平と出会うが、帰宅すると父は亡くなっていた。
銀次はその後も喜平の元で商売を営んでいたが、道行く侍にぶつかってしまったばかりに、銀次の身代わりとなった喜平と別れることとなる。
別れの際に喜平が言った大津の大善屋にいる伊左衛門を尋ねて大津に移る。
伊左衛門の丁稚として共に住み始めて5年、銀次は商才を開花させ、町にいる商売で困っている人のために手腕を発揮していた。
しかし、他の商人と同じように自分に取り入らない大善屋を目の敵にしていた大津奉行は裏で手を回し、大善屋に千両(=約1億円)もの借金を背負わせる。
果たして、銀次は大善屋の危機を救うことができるのか!?

ん〜、これはまた評価が難しい。
実在したかどうかは置いといて、今作はジャンル的に史実を基に描いたものというよりは、エンタメ寄りの経済ドラマ時代劇といった感じ。

物語は2軸で展開されていて、銀次の活躍を中心にしたテンション高めのコメディと、奉行と商人の癒着を描くダークなドラマ。
光彩やBGMでガラッと雰囲気を変えつつ、終盤には交わる構成をしていて上手く仕上がっていた印象です。
しかし、ドラマパートが演者の表情やセリフの間などの完成度が高く、観応えのある出来栄えになっていたのに対して、コメディパートはセリフの間やら全体のテンポ感が悪く、変な形で対比されてしまっていました。

それでも実際に起きていそうな癒着と、キャバクラやオタ芸、アイドルライブなど、実際にあったのかもしれないけど、まぁおそらくはまだ無いだろってものを使ったコメディの対比は上手くできていたと思います。
時代を超えてもオタクはオタク、ムラムラは止まらない。

現代ほど法や制度も充実していないしネットもない時代においても、アイデアと行動力、家族の絆でもって、世のため人のために利益を追求していく姿や、個人同士の信頼や繋がり、善行も悪行も全部自分にそのまま返ってくるという教訓など、今を生きる人々にも通じるものが描かれていたと思います。
Jjs

Jjsの感想・評価

4.4
フォーラム八戸 
閉館最終日 1本目
2023 劇場鑑賞12本目
Ashico

Ashicoの感想・評価

3.3

このレビューはネタバレを含みます

ものすごく色々あるけど、助演の実力俳優さん達に向けてかなり加点。
特に柏屋親子が素晴らしかった。

「近江商人」を描くと言うよりは、近江の商人が頑張りましたという内容。
近江商人の特徴をうまく見たかったな。

成長したら突然不思議ちゃんになってる主人公。
仲間集めのタスクをこなした感じの中盤までが残念だった。
米が世界における組織的な先物取引所の先駆けとなっていたことを知っていたので、その興味より映画を観ることとなった。
現在は、ネット回線速度向上やアルゴリズムの発展と時代は変わっても先物取引に対する向き合い方も発展している。

歴史的な背景や出来事を期待するのであれば、この映画はあまり面白くもないだろう。悪行町奉行や現代風にアレンジしたまち娘総選挙……。映画で何がしたいのだろうかと思った。ネット配信鑑賞で、十分かなと思いました。映画館スコアで1.5で、ネット鑑賞だったら2.3かなぁ〜。残念。



享保15年(1730)、江戸幕府は堂島で行われる正米商い(しょうまいあきない・米切手を売買する現物市場)と帳合米商い(ちょうあいまいあきない・米の代表取引銘柄を帳面上で売買する先物市場)を公認し、堂島米市場と呼ばれる公的市場が成立する。近代取引所に通じる会員制度、清算機能などが整えられた堂島米市場は、わが国における取引所の起源とされるとともに、世界における組織的な先物取引所の先駆けとして広く知られている。
くらちゃん、これからは幸せに生きろよ。
インディーズ映画とは思えないまとまりの良さ。
驚くような演出にも、しっかりバッチリ意味がある!

ゴリゴリの時代劇が好きな人からすれば「なんじゃこりゃ」となってしまうかもしれない。
けれど、『銀魂』などの過去の要素をさらった漫画が好きな人なら、その実写化としてとても面白く観られると思う。
あくまでこれは歴史や方法、時代劇やキャストに興味を持つキッカケになる作品。
あちこちへの橋渡しとなる、重要な作品のように思える。

物語を盛り上げようとして挿入されがちなヒロインの顔ありきのやっすい色恋が無いので、とても観やすくて嬉しかった。

一か月で上映が終わっていいような作品じゃないので、春休み映画が始まるまでは映画館に頑張ってほしかった。

ただ、近江商人が走ってるかと聞かれると、そんなに走ってはいない。
ついでに、主人公の少年時代と成長後の人物像が変わりすぎていて、そこは違和感を持った。
幼くして両親を亡くした百姓の子・銀次。ひょんなことから大津の米問屋・大善屋で丁稚奉公することになった。人並外れた商才や着眼点の鋭さを発揮して、店の仕事ばかりか、町内の困りごとも解決していく。ある日、大善屋の主人が悪徳奉行の賄賂の誘いを断ってしまったがために目をつけられ、悪辣な罠で千両もの借金を背負わせれてしまう。店と仲間を救うため銀次は策を練る。

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香川県高松市に本社を構える独立系映画製作会社KCIの第二弾。2015年に設立されたばかりだけど、2022年は今作含めて2本も公開されてるので今後の公開作も楽しみにしたい。


予備知識ゼロで鑑賞。
「殿、利息でござる」「引越大名」みたいな史実を下敷きにした時代劇エンタメかと思ったら、おもくそフィクションに振り切ったオモシロ時代劇で面食らった。(お年寄りの観客がほとんどだったので、同じように面食らった方も多かったかもしれない)とんちで問題解決しつつ金儲けに邁進するエコノミックな一休さんみたいな話だった。


難しいところがなくて、一発逆転&勧善懲悪の分かりやすさがいい。登場人物の掘り下げとか、あれはコレの暗喩とか難しく考える事なくズンドコ見てりゃあいい。正月映画はこういうのでいい。たぶん予算規模は他の邦画に比べても大きくなさそうだけど、工夫とガッツで乗り切ってる感がビシバシして熱い。(熱さと面白さに比例してない問題も)

山場はジェシー・アイゼンバーグ主演の映画「ハミングバード・プロジェクト」でもあったような誰よりも早く先物価格を知ること。
とはいえ銀次のやり口がどうにも不正に思えてしまって、「いいんかこれ?」て疑問が湧いてノイズになっちゃった。不正を咎められた際も「いち早く相場の情報を知りたいのは当然のことだ!」って勢いで押し切ろうとしすぎ。もっと頓知か屁理屈で正当性を証明して欲しかった。結局大岡裁きで大団円になっちゃうのは最早コメディ。エクスマキナすぎて今まで見てたのはなんだったのか。


芸人さんをはじめカメオ出演が多くて、豪華やらノイジーやら。個人的にはYouTuberのでんがんさんが出てたのが面白かった。
キャスト陣の中で特に印象に残ったのは柏屋主人・平蔵を演じた矢柴俊博。普段ニコニコと物静かで温厚な役柄のイメージが多い分、今作での悪役っぷりのハマり方がすごい。全編アドリブ多めの演出の中で、あえてフリーにセリフを足す事なく、同じセリフを何度も繰り返すキャラ作り。一見、商才がなくても人柄が好かれそうな好人物の裏に、ドロドロとコンプレックスがたぎってる感がいい。言葉を尽くして怒れるほど器用な奴ですらなくて、「どーすんだ!?」ってバカイチに繰り返すしかない無能っぷり。劣等感の強さとここぞで無気力になっちゃうのが、息子に受け継がれちゃってるのが悲しい。蔵之介視点で見れば、劣等感に向き合い怨嫉を断ち切り、父を超える物語でもあるのか。


余談)
特別出演された方の中で、昨年急逝された渡辺裕之さんのたぶん最後のチョンマゲ姿も貴重。惜しい人を亡くした悲しさと、不意にスクリーンで拝見できた驚き&喜びでストーリーを追うの忘れてしまった。

03本目
03

03の感想・評価

4.2
物を売り儲けるには。
人の心を動かすには。

笑えて、泣けて、
スカッとお見事🏳🤓🫶

学びも人情も、
近江商人、カッコいい!
丈の短い着物でダンスしたら色々見えそう。

多分イオンシネマ京都桂川でポスター見て知った作品。
ラジオで浜村淳さんが「おもろい映画です」と言ってたので観る事にしました。

『ハミングバード・プロジェクト0.001秒の男たち』の話し。
ジェシー・アイゼンバーグ主演のこの作品はカンザス州のデータセンターとニューヨーク証券取引所の間1600kmを直線の光ファイバーで結び、今までより0.001秒早く注文出来るようにしようと言う実話を元にした作品でした。
それと同じ事を1730年にやろうとしたのが今作。
光ファイバーどころか電話すら無かった時代に堂島米會所(大阪)と大津米會所(滋賀)の間を如何に早く繋ぐか?って話しでした。
ただし今作は実話では無いみたいなので、かなりデタラメな方法でしたが。
米會所とは全国から集まる年貢米を取引する場所で、現物取引だけでなく、世界初の先物取引まで扱っていたところ。
映画では大津が世界初と言ってましたが、調べてみると実際は堂島が世界初らしい。
でタイトルからてっきり堂島大津間を商人が走るんだと思ってたら…、走らへんのかい!
と言うか街の困りごとや商売の効率化など、さまざまなトラブルを解決するための知恵比べ的ストーリーで一切走ってないし。
夜の室内は蝋燭の灯りを再現した薄暗いシーンで、当時のリアリティ出そうとしてるんだと思うんですが、言葉遣いは現代的だと言う中途半端な作品でした。

これ観たの2022年大晦日だったんですが、閉まってる店が結構あって、開いてる店にお客さんが集中しててどこもかしこもいっぱい。
映画の時間もあるから並んでられないし比較的空いてた立食いそばの店に行ったんですが、やたらと他のお客さんがそば頼んでるなぁ、と思ったら年越しそばの意味だったのか。
そこまで気が回らずに普通にうどん食べました。




*********鑑賞記録*********
鑑賞日:2022年12月31日
鑑賞回:12:30〜14:35
劇場名:MOVIX京都
座席情報:シアター⑥ O-11
上映方式:2D
レーティング:G
上映時間:114分
備考:リピーター割引
**********************

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ぽん

ぽんの感想・評価

2.8
銀次の独特の雰囲気が良かった〜、
ちょいちょい現代風な演出があったから、時代劇エンタテインメントどんなもんじゃいと思ってた分期待を超えてきて良きでした。

森永悠希闇のある役本当に似合うなぁ、面白かった!
近江商人の勧めで米問屋に丁稚奉公に入った主人公が商才を発揮。悪徳奉行に陥れられた米問屋の危機を救う時代劇。滋賀県は「三方良し」で知られる近江商人の発祥地だけあって、主人公の着眼点も素晴らしい。職人がケガなどで働けなくなった時の休業補償を共済制度を発案してカバーしたり、近隣店に流れた茶店の客を取り戻すためのアイデアなどは現代マーケティングにも通じて興味深い。米問屋の危機を救うために考え出した価格差を利用した裁定取引は先進的ですごい。日本の失われた30年を取り戻すヒントがふんだんに取り入れてられていてとても参考になる。
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