しゅん

白い決死隊のしゅんのレビュー・感想・評価

白い決死隊(1954年製作の映画)
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新文芸坐シネマテーク

三、四年前に『不運』観て以来のアンジェイ・ムンク。ドイツ兵に見つかる寸前の野戦病院で、医師が凍傷の指先を切断する場面が圧巻。ノールックでランプを机の上に置こうとするがなかなか定まらなかったり、ひたすらにカリカリ鳴っている音が後々で男がスプーンを削る音だとわかったり。その場の緊迫感や焦りが一つ一つの表情のつなぎや動作のあり方で観客に迫る名シーンだと思う。険しい道を歩く重々しさとスキーで雪山を駆けていく疾走感の対比も見事。山岳カメラマンによる圧倒的な撮影と、犬のコントロールできなさが脚本に有機的に絡んでいく様も素晴らしかった。いや、犬がほんとに最高。最高だよ。
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