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わたしの魔境の10000lyfhのレビュー・感想・評価

わたしの魔境(2022年製作の映画)
2.5
オウム真理教のような宗教団体がいま活動したら、という仮想に基づくフィクションと、インタヴューで構成されるオウムのドキュメンタリーを交互に進行、リアルタイムでオウムを知らない Z世代への警鐘として製作された作品。フィクション部は、オウムの 1990年前後のあり方をそのまま描いているようだが、ソーシャルメディア時代の今、彼らの活動方法も、社会の彼らへの対応も、大きく異なるはず。その辺りが消化しきれてなく、2つの異なる世界線を見ているような違和感。インタヴュイーは、オウム後継団体 Aleph とひかりの輪の代表・上祐史浩や現信者(発言内容はどれも比較的、真っ当で、麻原彰晃には批判的)、井上死刑囚の支援者、潜入ジャーナリスト、新実死刑囚の妻で、フィクション部と、作品としてもメッセージ的にも不足している要素を補い合っている。総じて、映画としては物足りないが、意欲は評価したい。ヒーリング系の劇伴は団体との親和性が強く、距離を置く姿勢を示すには、別ジャンルを採用すべきだった
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