ふう

メトロポリスのふうのレビュー・感想・評価

メトロポリス(2001年製作の映画)
4.5
5回目くらいの観賞になります。
手塚治虫記念館に遊びにいく前の予習として。
私の人生に変革をおこした大切な映画です。

たしか小学生のころにこの映画を見て、
"一生得られない愛に飢えた少年が傷つく姿"
"アンドロイド三原則と人間への憎しみ/憎しむことすら許されないこと"
に異常な興奮を持ち、後の性癖?を作り出した作品になります😂

また、この映画のロックから手塚治虫に興味を持ち、『少年探偵ロック・ホーム』から『ブッキラによろしく!』まで彼のスター人生を追いかけることとなります。

肝心の本編ですが、何より音楽が抜群にいい!少し抜けた感じのジャズがレトロ感を出して、スチームパンク感を増していますね。サントラは無限リピート幸せです。

そして、ロック。
原作には登場しないキャラクターでありながら、愛憎劣等感どろどろ渦巻く彼は、この映画の深みを一手に担っています。
『ロック・ホーム』の年頃に『間久部録郎』の性格とサングラスを入れた、手塚治虫の彼とはまた違う、少年悪役ロック。
「あの椅子に座るのは父上でなければいけないのです」と執拗に自分に言い聞かせるように口にし、「父上をロボットごときに」という理由で最後のボタンを押す。
…泥臭くて欲望まみれでかっこよくない。そこがかっこいい。
ロックは全編通してレッド公に逆らい続け、欲望と感情によって動いている非常に人間くさい人間です。
"父親に愛されたい"という気持ちが、愛されたことのないゆえに暴走する。最初から壊れています。そこがいとおしい!!

スターシステムによって青年期は間久部を名乗りピカロの修羅の道を行くことで成功した彼ですが、少年期の彼でその闇が見れるなんて!!


映画自体は、2001年とCGの過渡期にあり、今では古くさく感じてしまうかもしれません。また手塚治虫とスチームパンクSFへの愛を詰め込みすぎなところが多く、万人受けするとは言いがたい作品です。
ですが、手塚漫画得意の大人数のガヤシーンやお決まりのスターたち、1949年の漫画をここまでテイストを損なわず現代風にアレンジした手腕など、荒くても見所はたっぷりの作品です♥️

そして、ロックに興味を持たれた方は『華麗なるロック・ホーム』という本が河出文庫から発売されているのでぜひ読んでみてください✨