みりお

瀉血のみりおのレビュー・感想・評価

瀉血(2022年製作の映画)
4.1
TAMA NEW WAVE一般審査員にて鑑賞🌟
わずか20歳の現役大学生監督・金子優太が監督・脚本・主演を務めた作品。
幼いころから映画作りに興味があり、大学で映画サークルに入部し、独学で学んだ映画製作や脚本術にて本作を製作。
第44回ぴあフィルムフェスティバルにて映画ファン賞を受賞しています✨

血縁へのどうしようもない嫌悪と、それでも血縁に何かを期待してしまう淡い期待。
和製アリ・アスター作品のような雰囲気を感じた。
自身の体験を半自伝的に映像化したと本人が暴露していて、それなのにこれでもかと人の汚いところに真正面から向き合っていて、その潔さがいっそ清々しい。
この屈折した家族観はなんなんだろうと激しく不安になり、そして同時にこの監督と1対1で話せたら、どんなに楽しいだろう…と想像してしまった。
それくらい映画の中のシーンで聴きたいことがてんこ盛り。
副音声解説付きの円盤とか出たら、絶対に買ってしまうやつだ、これ。


【ストーリー】

兄の雅信からの家庭内暴力に耐える高校生の悠晟は、人間の性格を決定するのは遺伝だと考え、家族に流れる血液を嫌悪する。そして自分自身もいつかは雅信のような人間になってしまうという運命に悩む。ある日、塾で出会った男子生徒の水瀬と仲良くなるが、彼の容姿や生活に憧れを抱くあまり、次第に異常な行動を繰り返すようになる。


【監督からのメッセージ】

このような素晴らしい映画祭で上映の機会をいただき、誠に光栄に思います。本作は半自伝的作品として製作しましたが、実際に起こった出来事に忠実に描くのではなく、あくまでエンタメ性と分かりやすさを追求して脚本を書きました。ご覧になる観客の皆さまに強烈な刺激と、そして何か新しいものを提供できればと願っています。
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