HidekiIshimoto

全身小説家のHidekiIshimotoのレビュー・感想・評価

全身小説家(1994年製作の映画)
4.5
小説塾生徒の爛熟女の方々の語りがいい。初めて観たときは師匠へのあられもない愛言葉にあらあらまあまあだったけど、今観ればどの熟女も小説修練により喋る言葉も磨かれてる感じで、言葉とは思考で、思考はつまり心で、つまりあんな風に容赦なく心を磨いてくれる師匠だったからこそのあられもなさだったのかぁと納得。後半のある意味どんでん返し展開も『ゆきゆきで神軍』に続きこの映画を比類なき実録映画に高めていて猛烈に面白い。井上光晴読んだことない俺でも面白い。最近ほぼ埴谷教信者の俺的には教祖様ふんだんに観れて眼福。今年ついに解脱(たぶん)の「死にたがり」寂聴さんが以後30年も健在だったのもなんだか凄い。戦後派文学者たちが背負った過酷さ、故の深さを丸々持てないバブル派俺らの不幸。を背負うしかないと総括の大晦日。