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ヒトラーのための虐殺会議のsimpsonsのレビュー・感想・評価

ヒトラーのための虐殺会議(2022年製作の映画)
4.0
恐ろしすぎる。
会議の様子から優秀で頭脳明晰な官僚達なのは分かるけど、目的、目標が虐殺であることがてんでおかしいし、それを大真面目に議論してる様子がホラー。
虐殺する側のPTSDの心配はできるのに、みんな同じ人間だと思っていないのか。
みんなどういう価値基準でどんな倫理観を持っているんだろう。何のために法律を学んだんだろう。洗脳されてるのか?
ずっとあんな大虐殺を誰がどうって決めていったんだろうって思ってたけど、ああいう会議で誰1人異議を唱えずに淡々と決めていかれていたんだ。
ただやはり、会議録を残しているのはさすがドイツだと思う。
バビ•ヤールでの虐殺がその後の大量虐殺にも影響していたとは。全然キエフでの虐殺について知らなかったけど、この間映画を観ておいて良かった。

他のユーザーの感想・評価

wam

wamの感想・評価

3.5
淡々と進んでいく、ユダヤ人問題の"最終的解決"についての会議。極めて理性的に進んでいるような会話が本当に恐ろしい。ぜったいに正当化してはいけない歴史だということを改めて心に刻む。
淡々とホロコーストの方法と正当性について合意に至る会議の記録。果たしてこの場に自分がいたら、異を唱えることはできるだろうか。情けないけれど、多分空気に殺されて、一言も発言できないだろうな。どの時代でもこんな会議が行われてもおかしくない。空気に飲まれてはいけない。
四畳半

四畳半の感想・評価

4.1
劇場で鑑賞

人道的とは?
ユダヤ人虐殺に関する実際に行われた会議を完全再現した怪物映画。
登場人物が多い上にずっと会話なので退屈かと思いきや、映画的に親切な作りになっていて怖いぐらいに観やすい。
1100万人を躊躇無く殺す会議なのに、会議の雰囲気などは見覚えしかない恐ろしさ。

ナチスを悪の組織ではなく極めて自分達に近い存在として描いていてより怖い
わずか90分で決められたユダヤ人1100万人の絶滅政策。議事録を基にナチスのヴァンゼー会議を再現した、冷血なる戦争映画。効率性や有用性の下に人権がいとも容易く剥奪される様は、過去の出来事と切り捨てられない恐ろしさを感じました。劇伴が無いのも印象深い。
AmeNohi

AmeNohiの感想・評価

-
アウシュビッツはドイツが作った最悪の施設というイメージだったが、兵士のメンタルがやられないように「人道的」に造られた施設だった。
当時は学術的にもユダヤ人はよくない人種と認められてたらしい。「ユダヤ人が自然消滅してくれたら最高なんですけどね」ってセリフもその前提に立つと人道的に聞こえる。医師も患者を救うためなら渋々でも脚切断したりするよねっていう例えも印象に残った。それだけ自分たちの正当性を確信してたんだね。コーヒーいかがですかって聞かれてここは仕事場だぞって返すのはルールに厳格な国民性とかだったりするのかな。
これはいい加減な推測だけど、自分に正当性があると思って殺害とかしてた末端の兵士とかはTwitterでやらかした人叩いてる層と変わんないんだろうな。
人がシステムを利用するんじゃなくて、システムの奴隷になってると、システムが悲劇を産むってことを理解した。正しい知識や教育がないと、人間はこんなとこまで堕ちてしまう。そういえば邦画で自国を振り返るみたいなの見たことないし、聞いたこともないかな……
人類史最大の虐殺計画は美しい湖畔にて決められた...。命が数字に置き換えられ、雑談を交えながら淡々と処理される様に言葉ならぬ怒りと恐怖を感じた。人の命をここまで些末に扱えてしまう戦争の真の狂気を体現した最悪の実話です
欧州全土のユダヤ人をいかに効率的に移送し殺害するのか討議したヴァンゼー会議の様子を描いた作品。
1,100万のユダヤ人がただの数字として扱われ、淡々と分担の割り振りや殺害の方法が議論される様子が恐ろしくて震える。

ナチスやホロコーストへの興味と言うよりは、会議というワンシチュエーションを映画にする手法に興味があって観たわけだけど、回想シーンやイメージ映像はおろか劇伴もなく、淡々と会議の様子が描かれるストイックな映画だった。おそらく意図した演出だと思うが…正直面白くはなかった。

反対意見が出たり討論は起こるものの概ね順調に会議が進行していくのが、議長のハイドリヒの手のひらの上という感じで、そういう意味でも恐ろしい。
会議が始まる前から決定している結論へ導いていくようなロジカルな会話劇はテンポが良く、ある種の気持ちよさを感じてしまったのも事実。
これはヤバい映画だ。
観てよかったとは思う。
80年前のベルリン郊外。1,100万人のユダヤ人虐殺を決定したヴァンゼー会議を実在する議事録に基づいて描く。会議が無視するのは生命、重視するのは予算、効率、所属組織への利益。終盤のアイヒマンの説明に鳥肌。時間を忘れる戦慄の112分
軍人は別として、相応のインテリジェンスを有した官僚がここまで盲従するだけの人物だったのか ―― ヒトラーは。
相当に恐怖政治は有ったのでしょうけれど、普通の人が普通でなくなる ―― 狂気と狂喜。
人種絶滅を論議する会議が淡々/粛々と進められていく光景は普通過ぎて怖かった。
異様に感じているのは歴史を知っている後世の人間だからなのか。
おまゆ

おまゆの感想・評価

3.5
登場人物が多いし当たり前だけど外人しかいないからほとんど把握できず、、、
内容が会議すぎて途中舟を漕いでしまった。
自分の勉強不足を感じた。

この映画の怖いところは、大虐殺の会議をしているけれど、その虐殺する様子を想像できないところにあるのかなと思った。
単にわたしの想像力がないだけかもしれないが。

エンドロールが無音だったのが良かった。
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simpsonsさんが書いた他の作品のレビュー

銀河鉄道の父(2023年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

感動した〜
実は全く期待してなかったんやけど、泣いた笑
迷ったけど宮沢賢治のこと、実はあんま知らんなーと思って観に行って正解!

お父さんの賢治への愛情が溢れていて‥
妹さんがまた偉い!!演じられてい
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頭固いんかな‥
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4.0

このレビューはネタバレを含みます

良かった‥
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これは面白い!!
さすがバルザック‥
長さを感じなかった。
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何より実話なの
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このレビューはネタバレを含みます

これはちょっと残念な印象。
能も邯鄲の夢も取ってつけたみたいで生かしきれていない気がする。
言いたいことは分かった。
村社会の閉塞感。同調圧力。
抑圧された欲求と他者への攻撃。

ヴィレッジとは村だけ
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