浅井リョウ原作の映画ってどうしてハズレがないんだろう。
原作小説を読んでかなり感銘を受けてたし、監督も『あゝ、荒野』の岸監督ということで期待値を上げてのぞんだものの…それでも大満足。
キャストの演技もすばらしく、特に吾郎ちゃん。『十三人の刺客』で「お!」となって、『窓辺にて』では最大限にパブリックイメージを活用されて、そして本作では俳優として「吾郎みのない吾郎」がハマった。
ガッキーもよかったが、これは役との相性のよさも多分にあった。
このふたりの食事シーンがいい。まさに「フード理論」で、ガッキーが蕎麦や回転寿司を食べる様子は完全に「作業」で不幸感が漂うし、吾郎ちゃんがスプーンと皿をカチカチ音を立てながら食べるオムライスからは苛立ちが感じられた。
自分が想像・理解できるできないに関わらず、現前するものは現前するという至極当然のことを再認識させてくれる。
義務教育の道徳の時間に上映すべき作品。