前作「ライオン・キング」で敵対する兄弟として描かれていたムファサとスカーの生い立ちを描いた続編。
王道であるが故にストーリー上の結末が予想できた前作に比べて、本作は世界観もダークでサスペンス的な要素も強い。話がどっちに転ぶか分からない展開で、映画としての面白さは断然こちらの方が上だと思う。
前作が家父長制的な世界観に終始していたのに対して、本作ではメスの動向がストーリーのカギを握っているのも特徴だ。意地悪な見方をすれば動物版メロドラマと言えなくもないが、そのテイストを全編に漂わせているわけでは無いので、ちょうど良いアクセントになっている。
映像的な進化が評価されているようだが、やはり今作も音周りが秀逸。天候変動に関わる音響が、日本やアメリカではないアフリカの大自然を見事に表現している。