ゆりこ

西部戦線異状なしのゆりこのレビュー・感想・評価

西部戦線異状なし(2022年製作の映画)
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第一次世界大戦末期のヨーロッパ。祖国を守るため仲間と共に志願してドイツ軍に入隊した若者のパウルだったが、彼らを待っていたのは、死と隣り合わせの、絶望しかない戦争最前線であった。
多分リピートはしないけど、かなり印象深い作品。凄く怖かったし納得いかないし、でもこれが現実にあったのが本当にショック。そもそも休戦協定をあそこまでしっかり守れるのなら、最初から戦わない選択はなかったのか? 1人1人に命があるのに、消耗品かのように、次々死んではまた新しい人が送り込まれる。現実はヒーロー映画みたいに銃弾をうまく交わして逃げることなんてそう出来るもんじゃない。現実は主要キャラとかいないから全員に常に死亡フラグが立っている。そしてラストで回収したタイトルの伏線。戦争は本当無駄以外の何でもない。戦争映画って今までも観たことあるけど、この作品では“現場”を見た気がする。戦争は良くないねというのを訴えたいというよりは、現場のリアルを感じて欲しい作品。
アカデミー賞の波に乗り早速鑑賞したけど、出逢えて良かった。評価が難しい…好きとか嫌いとか、良いとか悪いとか、そういう判断はしたくない。ただ長いとかグロいとか個人の好みはあるだろうけど、ここまで考えさせて引きずらせるんだから凄い作品なんだと思う。
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