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いつも心に太陽を2のkissenger800のレビュー・感想・評価

いつも心に太陽を2(1996年製作の映画)
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これはシドニー・ポワチエの履歴、彼が切り開いた道路を通行する利益を享受しているコンセンサスがないと何をどうありがたがるべきか伝わらないやつ。

んー(説明を追加しようと考えているときの唸り声)。

黒柳徹子が、美輪明宏が、あるいはタモリが一定の敬意を払われる世界にわれわれは生きているわけですけど、それってずいぶんローカルトピックじゃないですか。いまの彼らをピンポイントで切り出して、たとえば海外のひとにお見せして、え、誰すかこれ。どの辺がありがたいんです?
って言われたら何か分からんがムッとする。みたいなドメスティックな存在。
の・ようなもので、時代性と不可分な高揚ワードなんですよ、シドニー・ポワチエ。

ジョン・シングルトンの『ボーイズ'ン・ザ・フッド』(1991)を経たはずなのにどんだけー。呑気ー。って感想がたぶん正しいし、ダニー・グローバーとの違いが分かりません。もまあまあ間違ってないのですが、たとえば志村けんの動画を見てわれわれが抱く感慨の背後には、無数のコンテクストがある。長嶋茂雄もそう、シンザンもそう。
シドニー・ポワチエのこれもそういうものなので、通りすがりの若者に「何これ」的な感想を生まないほどに作品へアクセスしづらい現状は、逆に平和で良い気がします。

……Apple TV+会員なら無料で視聴可能よ。ってオプラ・ウィンフリーの前説が100秒ほど必ず付随する秋の一日、そんなことを思いました。
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