瀬戸内ジャクソン

フェイブルマンズの瀬戸内ジャクソンのネタバレレビュー・内容・結末

フェイブルマンズ(2022年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

『フェイブルマンズ』

フェィブルマン=嘘をつく人電話夢を作る人

彼の能力ゆえ感じてしまう辛さや映像制作に呑み込まれる過程とその環境はとても興味深く納得のいくものでした。
誰も悪く無いからこその辛さも。

ラストショットは特に素晴らしく、観終わった後で気付く事も多かった^ ^
デビッド・リンチ師匠も最高でした。


先日tbsラジオで町山智浩さんがされていた解説を一部書き起こしますと、

・サミーがフィルムに映った母親とペニーの姿を見て驚いたシーン、あれは違う角度から見ると真実が見えるという事を表していた。
ただ
『映画は真実である。しかし映画は嘘をつく』とも言っている。↓
父親『映画は科学なんだ。事実なんだ』
母親『映画は夢よ』
と。

・ボリスおじさんがシャツを引き裂いたのは、ユダヤ教の習慣として家族を失ったときなどにする深い悲しみを表す行為。

・血みどろシーンはプライベートライアンのプロトタイプのようなもの。
また彼は母の浮気を血みどろバイオレンスで表現した。

・ペニーがくれたボレックス16mmは使っていない→母との間柄を憎んでいたから。

・現実はなかなかコントロール出来ないが、映画は自分の好きなようにコントロールできるというトラウマを抱えてしまった彼。

・ビーチ映画について
そのBGMは、
『幸せになりたいなら地味で料理の上手い女性がいいよ』という内容

リンボーダンス=煉獄

ローガンがアレを観た後に泣いたのはフェイブルマンが映像を使ってなんでもできるという事に怯えたから。
これは撮影の仕方だけで誰でもスターにできるという事に対する彼の怯えのようなもの。お前はなんて恐ろしいんだと。

・スピルバーグは難読症で勉強ができなかった為、学校では相当苦労していた。

・ジョン・フォードは西部劇の知識が全く無いまま、彼の部屋にあったような絵画をモデルに構図を決めていた。
最後の構図チェンジはキルケゴールの
『人生は上か下か、どっちかしか選べない』と言う意味であって、実際にそうでなければならないという事を意図した言葉では無い。

・実生活においてスピルバーグの両親、リアとアーノルドはずいぶん後に再会し、97歳でリアが亡くなるまで共に暮らした。


以上、町山さんによる流石な内容の解説の聴き取りです。
スピルバーグという映画の怪物を生み出したのは彼の家庭環境によるものが非常に大きかったのだなという事を改めて知りましたし、自分は浅く観てるなとも(⌒-⌒; )。個人的に人生の選択肢は上か下か、だけでも無いとは思いますけどw
機会があれば何度か見直してみたいなと思います。大阪人的には行けたら行くわみたいな言い方ですけども。
瀬戸内ジャクソン

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