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ナイトライド 時間は嗤うのShinMakitaのレビュー・感想・評価

ナイトライド 時間は嗤う(2021年製作の映画)
2.4


ベルファスト…

ドラッグディーラーのバッジは、恋人ソフィアのために足を洗う決意をした。カタギの友人グレアムと6万ポンドを出し合い、自動車修理工場を経営するのだ。明朝、工場の本契約を結ぶため、今夜バッジは最後の取引に臨むことになる。クルマに乗り込み時計を見ると、いま午後10時40分過ぎ。これから、舎弟のレフティ&ビーカーが乗ってくるバンを引き取り、売り手のウクライナ人と合流。そこで10万ポンドを払ってコカインを受け取りトラックに積んだら、買い手のフィリックスという男に届けるのだ。フィリックスには20万で売り、元手の10万を貸してくれたギャングのジョーに利息込みの12万を返せば手元に8万残る。明日の契約には充分な額だ。唯一の心配は、ジョーへの返済期限が午前0時であること。午後11時15分がフィリックスとの取引時刻だから、0時には何とか間に合うと思うが…もしちょっとでも遅れたら命が無いぞとジョーに脅されたため、不安が拭えないのだ。

ふと、バッジはバックミラーの尾行車に気がついた。さては警察が取引のネタを掴んだのだろうか。下手に動かない方が良いと判断したバッジは、携帯電話で指示を出し、レフティ&ビーカーを直接ウクライナ人の元に行かせることにした。11時を回った頃、無事ブツを受け取ったとレフティから電話が入る。バッジはレフティに、ブツを積んだバンをフィリックスの元に運ぶよう指示するが、しばらくして、レフティから「スタンドで給油中バンを盗まれた」と連絡が入り……



「ナイトライド 時間は嗤う」

以下、J.カーンにはネタバレを払った方が良い。


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「カメ止め」風の「ザ・クラッカー 真夜中のアウトロー」といった作品。長々とアラスジ書いちゃったのは、こんだけ複雑な話をリアルタイム・ワンカットで見せると聞いたら興味が湧くかなと思って^_^

ひたすら主人公バッジがクルマを走らせているだけで、状況は彼の携帯電話通話から推測していくという作り。喫茶店で、他人の会話が耳に入ってオチがスゲー気になる時あるじゃないすか。まさにその感覚。
しかし内容はかなりハード。ヤクを積んだバンを盗まれるのは序の口で、午後10時30から午前0時の90分間に襲いかかるトラブルの連打。その中で見せるバッジの侠気と愛は、まさにジェームズ・カーンですよ。「ボイリングポイント」に次ぐ、ワンカット映画の佳作。オススメです。
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