ワンショットで撮影した以外に特筆すべき点がない作品だった。
長回しワンショット自体もそれほど効果的とは思えなかった。映画の半分程は車内を映すので画面の代わり映えのなさに退屈した。視点が移る際にカットを変えられないのでパンして視点を移動させるがそれがなんとなくテンポの悪さを感じさせた。
ワンショットにするのであれば映画内の時間感覚を観客も体感できるようにすべきだが、本作はタイムリミットの緊迫感が全く感じられなかった。
冒頭から約束の時間に間に合いそうになく、期限を先延ばししてもらってる状態なので間に合うかどうかのハラハラが損なわれていた。しかも時間に間に合わない理由がしょうもないのでその点でも緊迫感を削いでいた。
その上、金を貸してる側も、怒らせたらとんでもないことになるというおっかなさが全く感じられなかった。散々尾行しておいて、間に合わなくても救済措置を与えるのは甘いし、その措置もあやふやになっているので、結果としてジョーの怖さよりも彼やトロイが優しい人みたくなっていた。
上記のようになんだかんだで期限ををずるずると引き伸ばしている上に、主人公はずっと運転してるだけで途中で休憩したりもするので今何のために走っているのかあやふやに感じられた。
題材だけは面白そうなだけに残念だった。
