なつかし二番館

aftersun/アフターサンのなつかし二番館のレビュー・感想・評価

aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)
3.9
評点高いから頑張ってみたが,なかなか解釈に力がいる作品。外から固めていくことにする。
その夏まで,ソフィは母と早くに離婚・別居した父の誕生日前後に旅行していた。ソフィは父が19歳の時にできた子供で,父は劇中で31才の誕生日を迎える。
日本人発明のオープンテクノロジーのカラオケがここトルコのリゾート地でも使われて歌合戦。皆お年寄りの歌ばかり歌うからと,父子で申し込むが,父は歌わない。娘は下手ながら一生懸命歌う。歌を習いたいなら習わせようか。いらない。そんな金もないくせに。父の世代が聞く音楽はヨーロッパ独特の抵抗のロック。(そうそう,ブリティッシュカウンシルの先生が2000年頃に,イギリスで今はやっている歌は歌詞がこんなので,と教えてくれた。日本の歌は皆love,love,loveみたいな歌詞でメロディーもにてて一緒。いかにも日本ていうのを想像していたのに。とぼやいていたので,70年代にオリジナルフォークが出た中から1曲紹介したら,好評だったな,と思い出す)とそんなことを考えていると,話は部屋に鍵がかかったまま父が消えて,娘が帰ってこれない事態に。父は何をしているのか,(どうも女と消えたらしい),翌朝記憶が飛んでいる父に顛末を話すと平謝り。と続く。
海岸でまわりの観光客も巻き込んで祝ってあげると父はことさら無反応。
自分は怪我しながら護身術を娘に教えてみる。離婚した母に愛していると電話するのはなぜ,と聞かれると,君の母で家族だからだよ,おじいさんやおじさんに言うだろう。スコットランドにはもう帰らないだろうなあ。大体故郷と思ってないんだ。私は故郷と思っているわ。それはよかった。けど,自由に行きたいところに行っていいんだよ。
幼い子供同士でキスしたというと,これからも何でも話しなさい,ドラッグでも,何でも。ドラッグはやらないわ。パパもやってた。とにかく何でも相談してくれ。
いつか自分が30になって,そんなビデオを見るソフィがいて,最後別れのシーンを撮ってくれたはずの父を思い出す。