このレビューはネタバレを含みます
死体を運ぶおじいさんと孫のロードムービー。
孫娘役を本物のシリア難民が演じているようだ。
綺麗な風景に棺を運ぶ二人のシルエットが重なったり、死をまさに背負う二人は故郷を目指す。
運転手がやたらおしゃべりなことで、対比的に話さない孫と祖父の異様さが際立つ。
羊飼いや、運転手のおばさんなど、みな孫娘がお腹減っていることに気づき、食べるようにうながすが、おじいさんは怒って制止する。
しかし勾留中は、ミルクを飲もうとせず、クッキーを食べようとしない孫娘。故郷が近い=彼女にとっての死を意味したのだろうか。生きるために、食べるように優しく促す女性によって、孫娘は活力をとりもどしていく。
大きな出来事が起きそうで起きず、基本的にいい人ばかりが登場するため、単調さが続き前半は少しだれるし、好き嫌いが分かれそうな作品だ。個人的には、後半に向かっていくにつれて面白くなった。