Yuri

JOGI -街が炎に包まれた日-のYuriのレビュー・感想・評価

4.7
公開前から気になっていましたが、なかなか批評サイトにタイトルすら登録されず情報がなかったので、先送りにしてました。情報解禁され出したので鑑賞。1984年は私が生まれたばかりくらいなので、この事件をタイムリーには知らないけれど、シーク教はインドでメインのヒンドゥー教から派生した少数派ですね。派生したということは意見が割れたから派生したわけだし、でも本作では、シーク教徒が議員リストに何名もいる状況なので、少数派だから迫害されっぱなしというわけではないみたい。そんな知識しかない状態で鑑賞(^^;) でも全く問題なしで、エンタメを得意としているアリ・アッバス・ザファル監督作なので、宗教どうこうよりも人間同士の感情のやりとりがメインなので、そこはやはり上手くて胸アツな展開が何度もあり、インド映画では珍しい2時間に盛り沢山で収めているテンポ感もとても良い。信仰心に大事な髪を切るシーンひとつとっても、それがどれだけジョギ(ディルジット・ドゥサンジ)の心の核を傷つけるのかすごく伝わってきたし、違う宗教の親友もその痛みを分かち泣いているのを観て、やっぱり宗教の前に人なんだよ!と人類愛を信じたくなりました。4人目のフィクサーがまた最高で、「えっここで恋愛話始めちゃう!?」と一瞬呆れるのだけど、これがまた泣けるのよ。口髭のイケオジたちだけあって四銃士に見えました(笑)悪徳政治家はもう日本の官僚にしか見えなかった(爆)駄目だ、世界が全体的に汚職され過ぎている。朝、出かけて、昼、こんなんなる?とか一瞬思うけど、恐らくその前からインドの歴史上、一触即発の状態が続いていたのだと思いますし、戦争も起きないと思ってたらもう始まってたが歴史上、いまだ繰り返されることが証明されちゃいましたしね。普通、これだけ大きな虐殺をテーマにしているとそれだけで成り立ってしまうところに、恋愛、家族、友情、政治すべてを盛り込み、VIVA人類愛に昇華させてしまう極上エンタメです。
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