パケ猫パケたん

独裁者たちのときのパケ猫パケたんのレビュー・感想・評価

独裁者たちのとき(2022年製作の映画)
4.0
オイラ🐱で鑑賞者240人目かよ~
少な~

『独裁者たちのとき』 (2022)
🇧🇪ベルギー 🇷🇺ロシア 合作
  モノクロ 78分


脚本・監督はロシアの巨匠
 アレキサンドル・ソクーロフ

カンヌ映画祭にて、直前に上映中止となった、問題作

出演者のほとんどが、ヒトラー、スターリン、チャーチル、ムッソリーニの四名の第二次大戦の独裁者の、アーカイブ映像で出来ている

彼らは、爆撃下の廃墟のような、ダンテの『新曲』の描く【煉獄】のような冥府に住んでいる

そこで、【最後の晩餐】みたいな、晩餐会を開いていて、お互いの過去の悪行、を罵りあい、自己を陶酔しながら、【天国】の門が開かれるのを待っている

CGや、AIによるフェイク画像では無くて、実在のアーカイブ映像によるコラージュである、また、セリフも彼ら独裁者が、演説したり記述した実際のものである

四人は冥府に、おいても、ある意味、特権階級であり、自由と健康が授けられている

ショックな描写は、イエス・キリストが
瀕死の重症のままで、天国には行けずに、煉獄のベッドに苦しそうに横たわっている事

キリスト教批判も過ぎて、ロシア人に云われたくないという心理が、上映禁止になった所以(ゆえん)であろう

よく考えると、陰惨な内容であるが、モノクロの画面の濃淡が巧みに演出されていて、観ていて飽きない、ユーモラスですらある

また、【煉獄】には、大戦で死んだ兵士たちが死骸のまま、朽ち果てており、独裁者を許さないとほざいている👻

【煉獄】は丘陵地帯にあり、谷底は【地獄】なのかどきどき開き、夥しい人民たちの唸りが、魂となって激しい波のように畝っている

チャーチルは違うにしても、彼ら、ヒトラー、スターリン、ムッソリーニの独裁者たちは、叩き上げの人間であり、大衆操作に長けていて、登り詰めた鬼、いや姿形はヒトガタである

生まれ持った飛び抜けた才能で、人民を操り、自然と登り詰めたのである
彼らから見れば、大衆は常に愚かだから、ある種の必然であろう

【天国】の住人は、彼ら独裁者を【煉獄】のままに留めようとして、【天国】に召還しようとしない

人の世には、キリスト教と共産主義がまた必要となるから、との事

神さまって何、無神論や、多元宇宙、シミュレーション仮説などが、アタマを過る

神の影が、宇宙人にも見えて来て

また、ナポレオンは別格なのか、美しい

ヒトラーって千両役者的ではあるけれども、ワグナーの姪と結婚出来たのに、と悔悟するめっちゃゲスな奴、こんな人間に世界がめちゃくちゃにされたと思うと、マジ泣けてくる😭

神について考えると、アタマが少しおかしくなってくるよ ロベール・ブレッソンの『奇跡』の如く


そして、ソクーロフの独創性に、驚きを禁じ得ない、天才的である



【サイコパス】から逃れる方法🏃~~🏃💦

まあ、今回はほとんど無理

余程の財産か、仕事の才能を持っていて、時流を読みきって、海外脱出しないと、(大衆の大波に気をつけろ❗)





2023ー44ー36