地底獣国

独裁者たちのときの地底獣国のレビュー・感想・評価

独裁者たちのとき(2022年製作の映画)
2.9
20世紀前半からなかばにかけての権力者たち、スターリン、ヒトラー、ムッソリーニ、チャーチルによる煉獄お散歩映画。何故か幾人にも分裂してお互いお世辞を交わしたり罵り合ったり、天国の門で神と話したり、熱狂する群衆に手を振ったりするお話。「おまえは何を言ってるんだ」と思われるかもしれんが、自分でも何を観たのか分かってないんだから仕方ない。

登場人物をアーカイブ映像から切り出して使うという実験的手法、今の時代の空気が「戦前」に向かっている(実際ロシアは戦争真っ最中なわけだが)という危機感に基づいての製作意図、イエスが煉獄でゴロゴロしているという攻めた描写とかには敬意を表したい。

しかし何故このようなもっさりした眠たい作品になってしまったのか理解し難いし、ついでに言うと何故無神論者が天国の門で神と対話してるんかとか、ルーズベルトやトルーマンやフランコは何処におるのか等疑問もあれこれ湧いてきて、そこも乗れない要素だったかな。
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