8637

ファイブ・デビルズの8637のレビュー・感想・評価

ファイブ・デビルズ(2021年製作の映画)
3.5
特異的なタイムリープは新鮮で強烈で哀しい。ただ本質は愚かな人間の愛であり、その行方が広大な映像美と共に描かれる。
全編にスリラーを漂わせながら、クィアの浮き彫りの仕方が上手い。だからこそそれに意味を見出さず、それだけで終わらなかったのが惜しい。

主人公であるジョアンヌというよりその子供が嗅覚の能力を手にするということにも意外性を感じていた。子供らしい好奇心を伴いながら、映画はその奇妙に踏み込んでいく。しかしそんな彼女は孤独で、親にも本心を悟られない。ジョアンヌと言えば過去にうつつを抜かす。もしかしたら子供が主人公かもしれないと思いながら、母の存在も否めず、二人の主役が分かり合える瞬間を探す。
8637

8637