ダーク魔カスコス

ファイブ・デビルズのダーク魔カスコスのネタバレレビュー・内容・結末

ファイブ・デビルズ(2021年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

🔥ファイブデビルズ🔥
〜考察が楽しすぎて鼻血〜

まったく前情報を調べずに、ポスターとタイトルだけ見て「俺の大好きなグチョゲロのジャンル映画や!あぱぱ!🤪」と思って見てきたら、全然違いました😅

最後まで興味津々で見ることはできましたが、とにかく暗い雰囲気で突き進むので楽しいものではなかったです。そういう意味では2回みたいなとは思いません。

しかしこの映画、考察がかなり楽しいです。そのために2回見たくなります。監督が結局何を言いたかったのかも気になります。

考察好きには超オススメなのでぜひ見てください。で、答えを教えてください。マジで全然わからんかった😅


⚠️以下ネタバレです⚠️


デビルも内臓出てこーへん!🤣
直球の血みどろホラーだと思っていたら、基本サスペンスで最終的には恋愛ものでした。

主人公目線ではSFサスペンス。
母目線ではラブストーリー。
叔母目線ではホラー。
でもって魔女映画でもある闇鍋チャンコラブ❤️

主人公ヴィッキーはバタフライエフェクトの主人公を見習え!


さて監督のメッセージ以前に、劇中で何が起こったのか全然分からんので、色んな考察を参考にしながら私がハッキリさせますよ!

ヴィッキー=主人公
ジョアンヌ=母
ジミー=父
ジュリア=叔母
火傷ヒス女=火傷ヒス女


🎬ジョアンヌはヴィッキーを愛してない
正確には「一番愛しているわけではない」ですね。世界で一番愛してるか尋ねた時、彼女は答えていません。


🎬能力発動の条件は謎の液体
ヴィッキーがタイムリープするには、叔母ジュリアの持ち物にあった謎の液体が必要です。ヴィッキー独力では能力を発動できません。結局あれが何なのかは最後までわかりませんし、ヒントもない気がします。


🎬ベッドの下に置いたのは嫌がらせ
ヴィッキーはまだ子供です。しかも自分の能力についてもよく知らず、目覚めたばかりです。謎の液体がないと能力も発動できません。

このことから考えると、きっとベッドの下に汚物ジュースを置いたのは、単なる嫌がらせでしょう。能力を使って何かしてやろうという他の意図はないんじゃないかな。


🎬魔女
カラスやら小便やらを煮込んで嫌がらせするなんて、これ完全にヴィッキーは魔女ってことですよね。現代の話だし彼女はまだ子供なので自覚はないでしょうが。

なぜ叔母は過去に戻ったヴィッキーを認知できたのでしょうか。それは彼女も魔女だからじゃないですかね。子供の頃にヴィッキーと風呂場で会って、以降それを幽霊と勘違いしてビビってるということは、タイムリープ能力の存在には気づいていないようです。ただし、兄から送られてきたヴィッキーの写真を見るまでは。

ラストについて監督が「ラストを見てわかるように、これは遺伝の物語です」と言っているようです。ってことは、ラストの女の子はヴィッキーの血縁だと思います。ヴィッキーの娘か、もしくは父親ジミーと火傷ヒス女の娘でしょう。遺伝と関係なくなってしまうので幼少期のジュリアではないはずです。未来に飛ぶ描写もなかったし。


🎬なぜ鼻が良いだけで精神科へ?
母ジョアンヌは、娘が異常に鼻がきくことを夫に知られたら、娘が精神科へ連れて行かれると思っていました。なぜでしょう。不自然です。

ジョアンヌと夫ジミーの共通点かつ精神科といえば、放火魔ジュリアです。

きっと、ジュリアも異常に鼻が良かったんでしょう。ラスト湖でジョアンヌの匂いをかいで、まるでタイムリープしたかのようにジョアンヌとの思い出に浸っていることからも、鼻が良いと考えられます。

つまり、「異常に鼻が良い=ジュリアのように幻覚を見る可能性が高い」と夫が考えるだろうと、ジョアンヌは思ったんじゃないでしょうか。

さらにここから、鼻がきくジュリアも魔女だという可能性が高まります。


🎬なぜ周りの子まで気絶したのか
謎の液体単体で気絶の効果があるのでしょうか。

謎の液体単体で効果があり、それが原因で子供達が気絶したとなると、それを所持していたジュリアが気絶効果のある不思議な液体を調合できることになってしまいます。これはジュリアは自身の能力に気づいていないという推測と矛盾します。

ということは、子供達が気絶したのは、ヴィッキーが謎の液体から作ったものの効果だと考えるのが自然でしょう。魔女であるヴィッキーはタイムリープし、そうでない子供は単に気絶していたんです。

きっと子供の魔女+謎の液体+過去への疑念みたいなものが合わさると能力が発動するんでしょうね。ジュリアがタイムリープできないのは子供ではなくなったからではないでしょうか。子供時代だけ発動する能力。

この映画のオープニングはシャイニングをオマージュしてるらしいんです。見たことないけど。そしてシャイニング自体が子供の超能力を描いた映画らしい。ということは、本作も然りということです。


🎬なぜジュリアはベッドの臭いに気づかないのか?
彼女が鼻が良いならベッドの下の汚物ジュースに気づくはずです。凡人のジミーでさえ臭いといっていたのだから、たとえジュリアの鼻が良くなくても気づくはずです。つまりジュリアは臭いに気づきながらワザと無視していたことになります。なぜでしょう?

それは兄から送られた写真でヴィッキー=幽霊だと気づいたことと関係があると思います。あのヴィッキーの髪型じゃ絶対気づきますよね。

愛しのジョアンヌが兄と子供を作っていたことと、その子供が幽霊の正体だったことを知ったジュリア。もう一度ジョアンヌの気持ちを確かめたいという思いと、自分の人生を狂わせた存在を確かめたい思いで兄の家へ向かいます。

鼻が良いジュリアは、ヴィッキーが何か企んでベッドの下に汚物を仕込んだことに気づきますが、真相を確かめたいためあえて臭いに気づかないふりをします。

そして悪夢により幽霊=ヴィッキーだということを確信し、翌朝「すべて知ってる。やめろ。」とヴィッキーに言います。しかし異常者扱いされるのは目に見えてるため、ヴィッキーを問いただすことはできません。

「やめろ」というのはタイムリープをやめろという意味ではありません。流石にタイムリープまで勘づくのは無理でしょう。あれは「私とジョアンヌとの仲を裂こうとするのをやめろ」という意味です。

マッサージしている時、キスしている時、駆け落ちする時。なんらかの方法でヴィッキーがジョアンヌとの関係を邪魔していると思うには十分な回数です。


🎬なぜジュリアはヴィッキーの部屋を荒らしたのか
子供に対してすることではありません。相当な怒りがあるはずです。

まず一つの理由はジュリアに拒否され、出ていくように言われたからです。失望と怒りを何かにぶつけたかったのでしょう。しかしこれだけではヴィッキーにあたる意味がわかりません。

もう一つの理由はヴィッキーにやめろと言ったのにも関わらず、ジュリアとの仲をヴィッキーに邪魔されたと思ったからだと思います。だから邪魔者であるヴィッキーにキレた。その中でジュリアの匂いを見つけ、絶望の中、思い出と共に死ぬことを選んだ。なんとかなると思って来たら、何ともならなかったから。


🎬なぜジミーとジョアンヌは結婚したのか
かつてジミーは火傷前の火傷ヒス女と付き合っていました。しかし妹が火傷前の火傷ヒス女に火傷させて火傷ヒス女にしてしまった🤣結果未練はあっても付き合えなくなった。(その未練が爆発してセクロスしてましたね)ここまではほぼ確定でしょう。問題はここから。

ジョアンヌはあんまりジミーを愛していなかったけど、ジュリアと同じ血の子供が欲しかったからジミーと結婚して子供を作ったんじゃないでしょうか。

ラストでジョアンヌを失ったジミーの反応を見ると、ジミーはジョアンヌをちゃんと愛していたと思います。ジミー被害者すぎやな!


🎬なぜジミーはジュリアを家に入れたの?
最初ジョアンヌは嫌がってたのに、ジミーはジュリアを家に泊める判断をしました。

もしかして、冷え切ったジョアンヌとの関係をハッキリさせたかったのかもしれませんね。自分を選んでくれることを願っていたことでしょう😢


🎬結局ラストの女の子は誰?
まず幼少期のジュリアという可能性ですが、まずないでしょう。劇中で未来に飛ぶ描写はないですし、ジュリアが未来に飛ぶ理由もありません。そもそもジュリアはタイムリープ能力に気づいていません。監督の言う遺伝の物語にもなっていません。

次にヴィッキーの娘という可能性。ヴィッキーの娘だとにおわす描写はないんですよね。

一方、ジミーと火傷ヒス女の娘だという可能性。この伏線はあるんです。そう、セクロスです。意味もなくあんな過激な描写を入れますかね?キスで済まさずに猛烈なセクロスを描いたということは、やっぱり子供ができる伏線じゃないでしょうか。


🎬映画のその後
全部ぶっちゃけたジョアンヌはジュリアとくっつくでしょう。ジミーはポイ!😭

ジミーは子供ができた火傷ヒス女とくっつくでしょう。もしくは周りの目を気にして結婚はしないかもしれません。だとしたらそれを変に思った未来の娘がタイムリープしてくるかもしれませんね。


🎬5人の悪魔とは?
原題も同じ意味らしいです。ってことは絶対意味がある題名ですよね。

ヴィッキー、ジョアンヌ、ジュリア、ジミー、火傷ヒス女。この5人の主な登場人物のことを指すんじゃないかと思います。悪魔というからには悪い意味ですよね。

監督は彼らの行動を否定しているはずです。


🎬結局監督は何が言いたいのか
ジュリアは黒人で女性でレズビアンで魔女で前科持ちです。こんなに被差別属性全盛りのキャラもいませんよね🤣

他にも差別に関する描写がたくさんあります。しかし、シンプルに差別はよくないよって言いたいだけではないでしょう。

偽りの自分を生きていたジョアンヌとジュリアは元サヤに戻り、幸せそうな表情で終わります。監督は「偽るな、自分らしく生きろ」ってことを伝えたいんでしょうか。

いやそれではタイトルが5人の悪魔になっている意味が見えてきません。タイトルは彼ら5人を否定しているからです。

ここでラストの女の子の登場が意味をもってくるんだと思います。これは遺伝の話のはず。ラストの女の子は、また同じような悲劇が次の世代でも繰り返されることを表してるんじゃないでしょうか。

つまり、バッドエンドです。ありのままに生きたらバッドエンド。

本当の自分か偽りの自分か、そんなことは子育ての前では二の次。一度子供をつくったなら子供を第一、自分は第二、最後まで責任を持て。自分勝手に子供を傷つける悪魔みたいな行動をするな。こういうことですかね。

だってヴィッキーが周りの子供にいじめられてる原因は、たぶんその親にありますよね。親の若い頃の因縁が子供に遺伝しているわけです。

要は
「自分勝手な大人の行動が子供たちを傷つけている!悪魔の再生産無限ループ!」
これが言いたかったんじゃないでしょうか。このループを断ち切れと。一番悪いのは、愛してもいない男との間に子供を作って、その子供を一番に考えず、最後は捨てたジョアンヌ!他はみんなただの被害者!


監督に意図を教えてもらいたいですね。ちゃんと細かいとこまで設定し、わざと重要な情報をぬいて映画化してるそうです。イジワル😭