癌克服を謳う施設で得た不死身の再生能力で爛れた顔を隠してデッドプールとして活動する元傭兵で、時間移動でアース616へと訪れるもアベンジャーズ入りを拒まれたウェイド・ウィルソン。その事でTVAに連行された彼が、ウルヴァリンの死がタイムラインを乱していると知らされて解決のために次元を錯綜する様を描いたヒーロー映画です。
マーベルを原作にしながらR指定で制作されて望外の大ヒットシリーズとなったライアン・レイノルズのヒーロー映画をDisneyの20世紀FOX買収によって晴れてMCU入りさせた作品で、さらにはヒュー・ジャックマンのウルヴァリンと共存させるファン期待の物語をショーン・レヴィ監督で描き、日本では水曜公開の世界最速上映が行われました。
SONYシリーズを継承した『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』と同様に20世紀FOXが築いてきたものを注ぐ絢爛ぶりで往年のファンを喜ばせます。今やこのクロスオーバーだけが唯一の美点となったマルチバースの限界は感じますが、それでもその枠内において最適な題材と脚本、キャストにスタッフの力をユニゾンさせている一作です。