今このタイミングで感想を投稿するとなると「MCU」作品が、どういった性質の映画なのかが痛いほどに分かる。
ちなみに、鑑賞は公開日に済ませているため、今回1ヵ月以上経過した状態でのレビューとなる事を前置きしておきたい。
それを踏まえて何を書こうかを考えると、正直何にも思い浮かばないというのが本音である。
それは、記憶にないとかそういう意味ではなく、書くべき内容が今のタイミングでは全部”後出し”になってしまうからだ。
そうなのだ、結局のところMCU作品とは総じてストーリーテリングを楽しむものではなく、あらゆるカメオやイースターエッグを発見していく事を楽しむ為の映画なのだ。
となると、それこそ公開日当日に自分が気づけたネタを自分なりに公表していく事をしておかないと、それ以降は様々な媒体で我先にと乱立するネタバレ動画や記事の二番煎じ、もしくは受け売りにしかならなくなってしまう。
ともすると、1ヵ月以上が経過した今、記事に書ける内容などぶっちゃけ何もなくなってしまうのである。
以前に投稿した「LAST MILE」の記事内で言った鮮度とはこういった意味である。
だって、小ネタ関係の話を抜きにして今作の感想を、ストーリー面だけで語ろうとしてみなさいよ。
なんか全部がネタありきで、純粋にここの展開よかったねが全然思いつかなくない????
まあ、裏を返せばそれだけ小ネタにあふれた贅沢な作品であるという事の証明ではあると思うし、それを踏まえた内容自体はちゃんと面白いし話としてのまとまりもある。
そしてなにより、ここまでの作品を完成させてしまえるプロデュース力にはマジで脱帽ものである。
つまるところ、何が凄いって「ケヴィン・ファイギ」がスゲーなのである。
今作も「ディズニー」傘下になることによる資金面での強化と「20世紀スタジオ(旧20世紀FOX)」の買収がなければ、到底実現し得なかった内容であり、その仕掛人は言わずもがなケヴィン・ファイギその人である。
それ以外にも「SONY」との提携やらなにやら「マーベル」という題材を最大限に活かすために必要な手段を全て用立てられる経営スキルは半端ないとしか言いようがない。
そのうえで、聞いた話によると「フェーズ4」以降の作品には、名前貸し程度で基本ケヴィンは携わっていなかったらしいという事。
それによって起きた惨状は皆さんご存知の通りなのだが、それが今作より前線復帰を果たす事となり、出てきたものが何を隠そうこれである。
マジで凄すぎん??
「ロバート・ダウニー・Jr」をMCUに復帰させる妙案も、どう考えてもケヴィンの描いた絵だし、今回の復帰のさせ方に対しては賛否あるようだが、ここまできたらもうどう転んだとしても期待せずにはいられない。
そもそも、16年もの間シェアードユニバースをやり続けているのだ。
そう考えたら、失敗やトラブルが起こるのはむしろ当然だし、それを再度コントロールしようとちゃんと動き出せるリカバリー能力は感嘆に値する。
そういった意味でも、今作は非常に評価されるべき作品であるし、またここから期待を持たせるには十分な魅力を秘めていた。
あとは、フェーズ4以降でとっ散らかった分のお片付けをいかに上手くこなせるかと、ディズニーが腐った思想でいらないちょっかいを出さないかに掛かっているだろう。