コーカサス

リオ・ブラボーのコーカサスのレビュー・感想・評価

リオ・ブラボー(1959年製作の映画)
3.7
巨匠ハワード・ホークスの初西部劇『赤い河』から11年後、再びジョン・ウェインとコンビを組んだ西部劇の傑作。

ジョン・フォードが描く西部劇とはひと味違うホークスならではのウィットに富んだ会話や小気味良いアクションと、ウェインの起用法が見事に相まって最高の娯楽作となった。

またイタリア系アメリカ人として最大の成功を収めたスーパー・エンターテイナーのディーン・マーティン (のちに『エルダー兄弟』でもウェインと共演)、さらに元祖アメリカン・アイドルのリッキー・ネルソンといった豪華共演者も魅力的で、中でも彼らが唄う♪ライフルと愛馬 (『赤い河』でも使用された名曲)は必聴だ。

余談だが、50年代後半エルヴィスと共に数多くの両面ヒットを放ったリッキー・ネルソンは、1957年から62年の間に30曲ものトップ40曲を次々と生み出すのだが、これはエルヴィスの53曲、パット・ブーンの38曲に次ぐ大偉業である。
1985年、飛行機事故により45歳という若さでこの世を去るが、彼がステージで披露した最後の曲は、奇しくも同じ飛行機事故で亡くなったバディ・ホリーの♪レイヴ・オンだった。

話を戻そう。
同じ西部劇の屈指の名作『真昼の決闘』を観たホークスとウェインは口を揃えて「一般市民に助けを求めるような保安官はいない」とその内容を非難、本来あるべき西部劇、保安官の姿を此処に作り上げた。

娯楽に徹した『リオ・ブラボー』と娯楽を排した『真昼の決闘』、言い換えればそれは“理想と現実”なのかもしれない。

28 2021