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イタリア旅行のsonozyのレビュー・感想・評価

イタリア旅行(1953年製作の映画)
3.5
1954年 ロベルト・ロッセリーニ監督。

ゴダールに「男と女と1台の車、そしてカメラがあれば映画ができる」と言わしめたヌーヴェルヴァーグの原石的傑作とされる作品とのことで。

伯父から相続したナポリの別荘を売却するため、英国人夫妻アレックス(ジョージ・サンダース)とカテリーヌ(イングリッド・バーグマン)は車でイタリアに向かう。

結婚8年の二人だが、気持ちのすれ違いや険悪な雰囲気が垣間見え、現地でも別行動。
カテリーヌは、2年前に亡くなった友人(かつて恋仲だった?)の詩人チャールズの "魂の神殿。もはや亡骸なきがらはそこにはない。あるのは禁欲の幻想のみ。"という詩を思い浮かべながら、博物館、美術館、火山、カタコンベ(墓地)などを巡る。

アレックスは、現地で出会った旧友たちと来ていたマリアという人妻に近付いたり、街娼の女を車に乗せてみたり。。
夫婦仲は悪化し、ついに二人は離婚を決意する。

叔父の友人バートンの誘いでポンペイの古代遺跡の発掘現場に行った二人は、抱き合った姿のままの男女の骸骨の発掘を見て、カテリーヌは気分が悪くなり、ナポリに戻るが、サン・ジェンナーロの祝祭の行進の参加者と見学者の群衆で車が動けなり、車を降りる。

先ほど見た男女の骸骨と、敬虔な祈りの行列の人々に紛れる中で、二人の感情は。。

ロッセリーニ監督とバーグマンは、1950年に不倫〜結婚というスキャンダルを経て、この作品の当時はすでに破綻を来たしていたようで、そのリアルな二人の関係や監督の心情が投影されているのでしょうか。

・カイエ・デュ・シネマ 1955 Top10 Film 最優秀作品
・死ぬまでに見たい1001本/1001 Movies You must see before you die(Steven Schneider)
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