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彼方の閃光のtdswordsworksのレビュー・感想・評価

彼方の閃光(2022年製作の映画)
4.0
半野喜弘監督の映画を観るのは「雨にゆれる女」以来でしたが、さすが映画音楽家というか、心地のよい映画空間を作るのに長けていらっしゃる。戦争を知らずに現代を生きる僕らが原爆や沖縄戦を「当事者」として捉えることは可能か、という主題は興味深く見られたし、しかしながらストーリーテリングに頼らずにロケーションとカットに物語の核を預けたのも正解だと思う。
友部の支離滅裂な主張を聞き続けるのは苦痛だったけど、彼の存在は、SNSを跋扈しているような誰かの受け売りばかりの無責任な傍観論者に対して僕らはどうアプローチすればよいかという反語的な主題であったのだと解釈した。
眞栄田郷敦という役者のことは知らなかったけど、丸木夫妻の戦争画や洞窟など何かに反応して表れる演技には光るものがあった。辺野古に行った日の夜にベッドに入る場面も印象的だった。
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