観賞後の会場の人々の、
息を吐き出す音が全てを物語っていた。
120分の中、是非のボーダーラインの上で
倫理観を問われ
正しい共感性を問われ
緊張感とはまた違う張り詰めた空気だった。
"誰も傷つけてないのに"
これは名台詞ですね、
素直で芯をついた台詞。
それはそうって思うよ、やっぱり。
私はクソなので。
序盤、導入こそ
犯罪ですよ!と思いながら見れた。
まだ主人公のことを何も知らずに
行為しか見ていなかったからだと思う。
こちら側の共感性が低かった。
中盤になると、
彼の罪(とあえて書く)なんて忘れていた。
確かにこの作品は、
日本(オタク文化やサブカルで育った人間)
とそれ以外では感想が変わると思う。
性的感覚がやっぱり全く違う。緩いのか。
自分なんて典型的なオタク文化で育ってしまって、
創作物に罪を問えるかと問われると
私には出来ない。
モラルなんてそんな、日和ってしまう。
セーフかアウトかなんて線引き出来ない。
コミケだってアウトだもの。
会社のPCは不味いよね〜とは思うけど、
そこじゃないよね。この時点で自分はおかしい。
などと真面目に考えた。
よくこんな難しい題材で120分作ったよなあ。
捕まった俳優が出てる新作を
公開するか否かみたいな論議と近い気がする。
二次創作性文化ゆるゆる日本ですら
この切り込み方は出来ないのに、
海外でやったのは肝が据わってる。