伊達巻

たまねこ、たまびとの伊達巻のレビュー・感想・評価

たまねこ、たまびと(2022年製作の映画)
5.0
数えきれないほどの猫たちが多摩川に捨てられている事実。毎日世話に出かけている人がいるという事実。ギリギリになっちゃったけどほんとに観て良かった、そして心から一人でも多くの人に観てほしいと思った、というかみんなみて…(DVDは来年の春あたりに出るかもらしい)。人間は無常だよ、溝口の山椒大夫に出てくる坊さんの言葉と同じだった。真実を捉える言葉は重い。開始してから数秒で涙腺ゆるんであとはずっと泣いてた。捨てられる猫はかつてペットショップにいたのだろうか、それとも飼い猫から産まれた子猫たちが多かったりするのだろうか、いずれにせよ命をなめた行為を眺めるのはもうごめんだ。ある個人の人生から、たとえやむを得ないとしても切り離されて放り出されて挙句の果てに身勝手な人間たちから敵意を向けられて殺される猫たちと、人生をかけてでもかれらを救い出す人たち。小西さんの話すようにこれは終わらない連鎖なのかもしれないが猫たちの懸命に生きる姿を、愛でるホームレスの人たちの姿をみて絶望することはなかった、さすがに立ち退きの場面などこれがどこもかしこも起こってるんだと思うと絶望的な怒りを覚える他はなかったが、たまねこ、たまびと、衝撃を受けすぎてもはや軽く人生が変わった気がした。人類はあまりにも自らを追い詰めすぎているのではないか
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