国の存亡に関わる殺人事件を目撃したのは盲人だった。要は見えない目撃者でもう古典の如く使い古された設定ですが、舞台が波乱の朝鮮王朝時代というのと主人公に出自に関わる秘密を上手く組み合わせて極上のサスペンスに仕立てていました。しかし…アレはこの手の話ではちょっと禁じ手ではある気がしますが…。
王朝における人間関係を厚く描写しなければ王を巡る陰謀に説得力がないから仕方ないとはいえ事が起きるまでがちょっと長いような…。
事が起きてから主人公だけでなく犯人の方も主人公を疑い焦るのが面白い。王朝のドロドロの権力争いが物語を引き立てていました。
鍼灸師ならではの特技が謎の解明に一役買っていたのも芸が細かい。終盤は人の愚かさと政局の汚らしさに預け過ぎた感じがして、サスペンスとしての幕引きとしてはちょっと好みではなかったけれど、虚しさ溢れる感じは韓国映画らしいとも言えました。
海外の時代劇物は堅苦しさがあってなかなか観るのを躊躇いがちですが、最近では珍しく一気見した作品でなかなか面白かったです。
韓国の歴史に詳しければもっと面白く観れたのかも知れません。
まとめの一言
「裸の王様」